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国連海事海洋法課セミナー「大陸棚の限界拡張とキャパシティー・ビルディング」の開催 (2006年12月7日)
1. はじめに
1994年に発効した国連海洋法条約によりますと、大陸縁辺部の外縁が200海里を超えて延びている場合には、大陸棚を最大350海里まで延伸することができると定められていますが、そのためには、延伸に必要な科学的データを添えて、国連に設置されている大陸棚限界委員会に2009年5月までに申請する必要があります。これまでに、ロシア、ブラジル、オーストラリア、アイルランド、ニュージーランド及びノルウェーの6カ国が申請し、またフランス、アイルランド、スペイン、英国が共同申請をしております。我が国でも、2009年の提出期限に向けて必要なデータを収集するなど、申請の準備に追われているところであります。
このような状況の中で、国連大陸棚限界委員会(CLCS:Commission on the Limits of the Continental Shelf)における審査の状況などについて、事務局を務める国連海事海洋法課(DOALOS :Division for Ocean Affairs and the Law of the Sea)の意見を伺うことは、極めて有益なことと考えられます。そこで、DOALOSの専門家の方々を招聘し、標記セミナーを開催致しました。
本セミナーでは、先ず、国連海洋法条約に則ったDOALOSの活動の全般的な紹介が行われました。次に、国連海洋法条約第76条に従って大陸棚を延伸するためのCLCSへの申請方法と手順、及びDOALOSの事務局としての役割、並びにDOALOSの技術的サポート体制について紹介がありました。その後、大陸棚の画定が技術的に極めて高度なことを受け、全ての締約国に国連海洋法条約を適用していくためのDOALOSのキャパシティー・ビルディング活動について紹介が行われ、参加者との間で活発な議論が展開されました。
2. 実施概要
開催日時: | 平成18年12月7日(木) 13:30~19:15 |
開催場所: | 日本財団ビル 2階 大会議室(東京都港区赤坂1-2-2) |
主催: | 海洋政策研究財団 |
後援: | 日本財団 |
参加者: | 約130名 |
講師: | 国連法務局海事海洋法課(Division for Ocean Affairs and the Law of the Sea, Office of Legal Affairs, United Nations) Mr. Hariharan Pakshi Rajan (ハリハラン・パクシ・ラジャン氏) Senior Law of the Sea / Ocean Affairs Officer & Deputy-Secretary of the Commission Mr. Vladimir Jares(ウラジミール・ジャレス氏) Law of the Sea / Ocean Affairs Officer Mr. Robert Sandev (ロバート・サンデフ氏) Geographic Information Systems (GIS) Officer |
13:30-13:40 | 開会の辞 海洋政策研究財団 会長 秋山昌廣 |
13:40-14:10 | 国連海洋法条約における国連海事海洋法課の活動の概要 講演概要、プレゼンテーション資料 (92KB) ハリハラン・パクシ・ラジャン氏 |
14:10-15:00 | CLCSへの申請方法と手順~DOALOSはどのようにしてCLCSの事務局として機能しているのか~ 講演概要、プレゼンテーション資料(96KB) ハリハラン・パクシ・ラジャン氏 |
15:00-15:20 | 休憩 |
15:20-16:10 | DOALOSの活動の技術的な側面について~その構造基盤、データベース、ホームページ、及び地理情報システム(GIS)~ 講演概要、プレゼンテーション資料(264KB) ロバート・サンデフ氏 |
16:10-17:30 | 申請のための発展途上国のキャパシティー・ビルディング~DOALOSの計画の目的と遂行、及び他の関連したプログラム~ 講演概要、プレゼンテーション資料(1.0MB) ウラジミール・ジャレス氏 |
17:30 | 閉会 |
17:45-19:15 | レセプション |
本会議報告書については、こちらからご覧下さい。
*当財団では、競艇交付金による日本財団の助成金を受けて「大陸棚の限界拡張に係る支援」事業を実施しておりますが、本セミナーはその一環として開催したものです。