政策提言「日米同盟における拡大抑止の実効性向上を目指して ―「核の傘」を本物に―」
笹川平和財団 安全保障・日米グループでは2025年3月7~8日、ホノルルにおいて、日米の実務経験豊富な有識者を招いて会合を開催し、「日米同盟における拡大抑止の実効性向上を目指して」と題した提言をとりまとめました。本提言書では、日本国内においてはなかなか深い議論を行うことが難しかった、日米同盟の核を含む拡大抑止の運用面の課題について、真正面から取り上げ、深く切り込んだ議論を推進することを提案しています。
日米グループが、米国・ランド研究所(RAND Corporation)に委託した研究の成果が、英文レポート「Like-Minded Allies? Indo-Pacific Partners’ Views on Possible Changes in the U.S. Relationship with Taiwan(米台関係の変化に対するインド太平洋のパートナーの見方)」として、同研究所のウェブサイト上に公開されました。
現在、米国の台湾との関係をめぐる議論は、ペロシ下院議長(当時)の訪台やバイデン大統領の台湾をめぐる発言に対する是非に代表されるように、もっぱら戦略的曖昧性を維持すべきなのかどうか、つまり米国の政策が中国の台湾侵攻可能性にどう影響するかという点に終始しています。それに対して本報告書では、アメリカの同盟国に着目し、アメリカの台湾政策の変化にこれらの国がどのように評価・反応するかを論じています。具体的には、①日本、②韓国、③フィリピンというの3つの同盟国について、対台関係の歴史的背景、現在の台湾に対する見方、そしてアメリカの台湾政策の変化(外交、インテリジェンス、軍事、経済)にどう反応するかを歴史研究、関係者へのインタビューを通じて明らかにし、アメリカは今後の台湾政策を考えていくうえで同盟国の立場を認識する必要があるとまとめています。
レポート全編は、PDFとして無料でダウンロードしていただけますので、是非ご覧ください。
カテゴリー区分 | 英語論文紹介 |
著者/編者 | ジェフリー・ホーナン(ランド研究所)、ミランダ・プリーブ(ランド研究所)、ブライアン・ルーニー(ランド研究所)、パトリック・ハルム(ハーバード・ケネディ・スクール)、玉置敦彦(中央大学)、稲垣悠(笹川平和財団) |
発行 | 2023.07 |
目次 | CHAPTER 1 Introduction/第1章 イントロダクション
CHAPTER 2 History of the U.S. Security Relationship with Taiwan/第2章 米台安全保障関係の歴史
CHAPTER 3 Japan/第3章 日本
CHAPTER 4 The Republic of Korea/第4章 韓国
CHAPTER 5 The Philippines/第5章 フィリピン
CHAPTER 6 Findings/第6章 結論
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