近年、当財団では障がい者の方も採用され始め、笹川平和財団ビルもユニバーサルデザインになっており、良い傾向です。
一方で、以前の方が外国人職員が多く、もっと多国籍な雰囲気だったように感じています。より多くの外国人職員と、お互いに刺激しながら楽しく働いた方が、国際的な財団としての力が発揮できるのではないでしょうか。
ジェンダー平等という点では、私が入職した約30年前から十分尊重されていると思います。女性の研究員も多く活躍していました。当時は週休二日制ではなかったため、土曜日の午前授業が終わったお子さんをオフィスに連れてきて働くという女性職員もおり、そのような光景も受け入れられる雰囲気でした。
発言権にも男女差は特にありませんでしたが、強いて言うなら、当時の部長・室長クラスの役職者は男性比率が高かったように記憶しています。ただしそれも改善されて、今では管理職の男女比率はほぼ同等です。
笹川平和財団が以前からジェンダー平等が当たり前だった他方で、日本の社会全体はこの30年で大きく変わった実感があります。昔は大学の研究室でさえも飲み会で女性にお酒を注がせたり、からかったりなどして「女性軽視」の風潮があり、それに対して誰も違和感を抱きませんでしたが、今の社会では通用しません。また政界でも、活躍する女性政治家が増えてきたという印象があります。これは国の制度が変わり、国民一人一人の意識が変わってきた成果だと思います。
とはいえ、まだ変革期です。当財団はジェンダー平等の観点では先進的だと思っているので、社会全体に良い影響力を与えていってほしいです。公益財団法人としての使命の一つだと期待しています。
そのためには当財団の職員個々人がそれぞれの生活で体現していくことが必要です。個人的には、まずは男性も料理をすることをお勧めします。手軽に始められますし、物の見方が変わり、今までは気づかなかった苦労や工夫が見えてくるようになりますよ。
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