第7回「日中未来創発フォーラム ~未来の生活、教育、文化について考える~」開催報告 その1
5月10日~11日、笹川日中友好基金は、中国人民大学で第7回「日中未来創発フォーラム」を開催しました。フォーラムには日本と中国の大学生81名が参加し、生活、教育、文化の3つをテーマに未来における協力の可能性について考えました。
10月~11月にかけて「日中未来創発フォーラム」のプログラムの一環で開催した実地体験(フィールドワーク)の様子をご紹介します。環境、文化、教育、福祉の4つテーマ毎に趣向を凝らしたユニークな実地体験が行われました。
海岸ゴミの流入経路を確認
雨のなか海岸清掃を体験
朱研究員の講義
10月9日、「福祉」チームは介護ロボットやスマートベットをはじめとした"デジタル介護"の取組みに注力している複合福祉施設・サンタフェガーデンヒルズ・善光会を訪問し、最新ロボット技術を取り入れた最先端の介護現場の現状と今後の展望を学びました。
福祉チームを率いるファシリテーターの豊嶋駿介さんは、「高齢化社会における介護の問題は、日中両国が直面している共通の社会問題。福祉施設を実際に訪問する機会は普段ほとんどない。今回のフィールドワークを通して、介護の分野におけるテクノロジーの革新的応用について理解を深めることができ、本当に勉強になった」と実地体験の意義を述べました。
10月12日、文化チームの実地体験は2回に分けて行いました。1回目は日中両国で活躍するインフルエンサーを招き異文化コミュニケーションをテーマに座談会を開催しました。日本のバラエティー番組などにも出演している中国人インフルエンサーのマジシャンGOさんは、日本と中国のエンターテイメント業界におけるオーディエンスの反応の違いやビジネスの相違点などを日本で活躍するマジシャンの視点から解説。また日々感じていることや来日から現在までの経緯、将来の展望などを語りました。中国で200万人以上のフォロワーを持つ日本人インフルエンサー兼プロデューサーの山下智博さんは、中国で活躍するようになった経緯を語り、「なんでも果敢にチャレンジしてください。自分に合ったポジションを見つけることができる」とメッセージを送りました。2人は参加者に向けて異文化コミュニケーションにおいて感じていることや、直面している課題などについても意見交換しました。
10月19日、文化チームは2回目の実地体験を開催。午前中の座談会では、「映像作家100人2024」に選出されたアニメーション作家の軌跡・邵雪晴(ショウ・セツセイ)さん、(株)サンボーンジャパンの崔太郎さん、声優の西山野園美さんを招き、それぞれの業界に入ったきっかけや制作サイドからみたアニメ、ゲーム、声優業界の世界や将来について話を伺った。また自身の経験を織り交ぜながら、キャリアアップの方法について参加者たちにアドバイスを送った。午後は、アニメCG会社の天狗工房を訪問し、多様な作品が作り出される制作現場を見学すると共にさまざまな国籍を持つスタッフの方々と意見交換を行った。
10月12日、教育チームは東京大学大学院情報学環・東洋文化研究所の園田茂人教授を訪ね、座談会を行いました。園田茂人教授は「高等教育を通じてみる日本と中国:話題提供」と題して、中国で調査研究をされていた経験から日本と中国の高等教育の違いを紹介いただきました。参加者は自身の経験を交えながら日本と中国は異なる点の背景にある国情の違いなどについても目を向けて意見交換を行いました。