笹川日中友好基金
笹川日中友好基金
中国の東南アジア研究者及びインド研究者を招へい
2023.11.16
5分
招へい者たちが笹川平和財団を訪問
笹川日中友好基金は、11月5日から10日までの期間中に、中国の東南アジア研究者及びインド研究者を招へいし、日本側の有識者やメディア関係者との交流を実施しました。
今回の招へいは、「中国オピニオンリーダー招へいII」事業の一環として実施されたもので、中国社会科学院アジア太平洋及びグローバル戦略研究院の張潔研究員、復旦大学南アジア研究所の張家棟主任・教授、日中基金のカウンターパートである米中新視角基金会の周志興主席と夫人の喩杉氏の4名が来日しました。
近年、インド太平洋地域で米中の対立が先鋭化するなか、両国ともASEANとの関係を重視しています。米中対立を背景に、中国の研究者は中国とASEAN関係の現状をどう評価し、アメリカと域内の関係国の新しい動向にどう対応し、今後どのような戦略的目標を立ててASEAN諸国の関係を構築しようとしているか、同じアジアの大国日本でも関心が集まるところです。張潔研究員は中国で影響ある東南アジア問題の専門家で、中国と東南アジア諸国の政治と経済関係、特に南シナ海の問題を研究対象にしている中堅学者です。一方、張家棟教授は中国と南アジア諸国の関係、特に中国とインドの関係を中心に研究されている専門家です。今世紀に入って、中国とインドの経済貿易関係が迅速に発展しましたが、近年のインドのクアッド加入やヒマラヤでの両国の軍事対立など、新しい安全環境のなかで2大国間の駆け引きが続いています。安全保障面の課題に中国はどう対応すべきか、中国の外交政策のなかでインドとの関係を発展させるための戦略は何か、戦略的目標をどう実現していくか、日本でも関心の高い話題です。
このような知的関心に応えて、専門家たちは11月6日に笹川平和財団の国際会議場で開催された「中国人専門家が見た中国―ASEAN関係と中国―インド関係」と題する日本のメディア関係者との意見交換会に講師として参加しました。張潔研究員は「新しい時期の中国-東南アジア関係」、張家棟教授は「中印関係」をテーマに講演し、メディア関係者たちからの質問に答えました。意見交換会の終了後、招へい者たちはメディア関係者との懇親会に参加し、自由な雰囲気の中で日本側の参加者と意見を交わし、ネットワークを構築しました。
メディア関係者との意見交換会
笹川平和財団の訪問とメディア関係者との交流活動のほかに、招へい者たちは日本国際問題研究所を訪問し、同研究所に所属する研究者や外部専門家と情報や意見を交換しました。また、中曽根康弘世界平和研究所などの研究機関を訪問し、日本側の有識者・専門家と互いに関心を持つ国際関係問題について意見を交わし、信頼関係の構築に努めました。
日本国際問題研究所の専門家たちと意見交換
中曽根康弘世界平和研究所の専門家たちと意見交換
東京での交流活動を終えた後、招へい者たちは青森県に移動し、弘前城などの名勝旧跡や、十和田湖、奥入瀬渓流などの美観地域を視察し、日本の自然や歴史に対する理解を深めて11月10日に帰国しました。
笹川日中友好基金は、今後も引き続き中国の国内問題及び中国と関係深い国際問題をテーマに、中国の有識者・専門家を招へいして日本側の関係者と情報や意見交換を行い、日中両国の知的交流の促進に注力して参ります。
笹川日中友好基金は、今後も引き続き中国の国内問題及び中国と関係深い国際問題をテーマに、中国の有識者・専門家を招へいして日本側の関係者と情報や意見交換を行い、日中両国の知的交流の促進に注力して参ります。