第1グループ(戦略対話・交流促進担当)
【開催報告】公開シンポジウム「Visions for India: インド政治リーダーの語るこれからのインドのビジョン」の開催
公開日:2026.03.19
主催:笹川平和財団
開催日時:2026年3月6日(金)15:00-17:00(JST)
笹川平和財団では、アジア諸国と日本との間で、社会の平和と安定を希求するべく様々な交流事業を実施しています。
この度、「日印戦略的ネットワーク強化事業」の一環として、世界の外交・経済において存在感を高めるインドと日本の関係強化を目的に、2026年3月2日(月)~3月6日(金)に、インドの国会議員3名を日本に招へいしました。
今回招へいしたインド国会議員は以下の通りです。
- マニシュ・テワリ下院議員(3期目、インド国民会議派)
- テジャスヴィ・スーリヤ下院議員(2期目、インド人民党)
- リチャード・ヴァンラルマンガイア下院議員(1期目、ゾラム人民運動)
3月6日(金)には、インド国会議員と日本のインド専門家による「Visions for India: インド政治リーダーの語るこれからのインドのビジョン」と題した公開シンポジウムを開催し、インド国会議員が語る自国の将来展望について、議論を深めましたので、以下にその概要を報告いたします。
本シンポジウムの冒頭、笹川平和財団常務理事の萱島信子が開会の辞を述べ、シンポジウムへの期待を表明しました。続いて、外務省宮本新吾南部アジア部長より、インドが日本と世界にとって極めて重要な存在であること、日印関係の深化が政府や経済の関係に偏重しがちであること、日印間には広範な類似性がある一方、両国の意思決定時における違いや、それを踏まえた両国民の相互理解の促進の重要性について指摘がありました。
その後各議員が、自身の持つインドの将来展望について講演を行いました。
テジャスヴィ・スーリヤ下院議員
テジャスヴィ・スーリヤ下院議員 講演要旨
インド人、特に若い世代のインド人にとって、日本は単なる地図上の遠くにある国ではなく、アニメやゲームといった幼少期の成長とともにあった文化を創出した国であり、規律、人道性、忍耐といった文化的な価値観を共有する文明である。私の選挙区であるバンガロールは、国際協力機構(JICA)の支援により、水道やメトロといった生活の基盤となるインフラが整備されている。私は、ここからさらに日印の経済協力を発展させるべく、規制を緩和し、より企業が活動しやすい環境を作ることで、日本からのさらなる投資を呼び込みたいと考えている。特に、製造業、技術革新、再生可能エネルギーといった分野は重要である。私はこの度、印日友好議連の一員となる名誉に預かった。日印関係のさらなる強化へと貢献していくよう力を尽くしたい。
リチャード・ヴァンラルマンガイア下院議員
リチャード・ヴァンラルマンガイア下院議員 講演要旨
私の選挙区であるインド北東部に位置するミゾラム州は、インドの中で二番目に人口の少ない州で、開発という観点では、後進地域に分類される。西にバングラデシュ、東にミャンマーが位置し、地域の隣国とのつながりも深く、インド北東部にとり、「アジアとのつながり」は単なるうわべだけの言葉ではなく、具体的な現実である。日本は、インド北東部を含む、インド全土において、インフラ開発、連結性の強化、人材開発の支援を行ってきた。当地選出の私としては、日印関係のさらなる深化と、日本企業の当地へのさらなる進出と投資を期待している。また、インドの目指すアジアのための将来展望は、きわめて包摂的でなければならず、対話、主権と国際法の尊重といった原則に基づかねばならない。
マニシュ・テワリ下院議員
マニシュ・テワリ下院議員 講演要旨
我々は前例のない時代を生きている。インドと日本は、戦略的、政治的、経済的な面で多くのものを共有するからこそ、これからの将来を見通すためには、歴史を振り返る必要がある。第二次世界大戦後に米国主導で作られたルールに基づく秩序は、かつてない問題に直面していることは疑いない。そのような時代の中で、インドは、「武力の行使によって平和をもたらすことはできない」という信念を持っている。しかし、一方でインドの外交政策において、どの政権であろうと、戦略的自律を確保することが常に中心課題である。これからの世界の中で、公平な世界秩序の再建を目指す中で、インドと日本は、他の中堅国(ミドルパワー)と共同し、新たな均衡点を探るべく、重要な役割を果たしていく必要がある。
各議員スピーチに続き、笠井亮平氏(岐阜女子大学特別客員准教授)、熊谷章太郎氏(日本総研主任研究員)を交えて、活発なパネルディスカッションを実施いたしました。
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笹川平和財団 第1グループ(戦略対話・交流促進担当)
担当者:岩堀
E-mail:asia@spf.or.jp
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