笹川平和財団は2004年度より日印間の相互理解の更なる促進を目的に、インド国会議員の招へい事業を実施してまいりました。12年目にあたる2015年度は、インドにおける最重要課題のひとつである「鉄道インフラ」をテーマに、インド上下院議員5名を日本に招へいし、「インド鉄道インフラの近代化と改良に向けて:日印協力への期待」と題する講演会を開催しました。【関連ページ】https://www.spf.org/spaf-j/news/article_17669.html
インドの鉄道は、英国植民地時代から約160年にわたる長い歴史を有し、総延長66,000Kmを超える世界有数の鉄道距離を誇ります。一方で、幹線ルートにおける深刻な輸送容量不足、頻発する鉄道事故、施設の老朽化、低速度運行、更にはサービスの改善等の様々な課題を抱えています。交通インフラの充実は経済発展の要とも言われていますが、近年の急速な経済成長を続けるインドにおいて、鉄道の近代化は欠かせません。モディ首相は鉄道を潜在的な「インドの成長エンジン」と称して、高速鉄道や貨物専用鉄道の計画を打ち出しています。世界のトップクラスにある日本の鉄道技術が、インドの鉄道インフラの改善を担うことになれば、日印関係において、新たなページを開くことが期待されます。講演者:VP・シン・バドノール議員 (インド国会上院議員、BJP所属)/コメンテーター:森地茂教授(政策研究大学院大学 政策研究センター 所長)