震災復興へ想いをつなぐ日中交流
中国の無形文化財保護団体が輪島漆芸技術研修所に漆を寄贈
笹川平和財団(東京都港区、理事長・角南篤)は、3月3日(月)、昨年1月に能登半島地震により甚大な被害をうけた現地の伝統工芸関係者を支援するため、石川県立輪島漆芸技術研修所で寄贈品贈呈式を実施しました。
歓迎会では訪日団のメンバーが一人ひとり紹介され、敬礼する張保群団長
笹川平和財団の日中佐官級交流事業で、中国人民解放軍の中堅幹部20人が5月14日から20日まで訪日し、防衛省、防衛研究所、陸・海・空自衛隊基地を訪れ交流を進めています。
16日には都内のホテルで歓迎会が開かれ、笹川平和財団の笹川陽平名誉会長(日本財団会長)は「日中間では政治的な問題などが惹起されることもありますが、(軍事衝突などが起こらないよう)お互いを知ることが大事です」とあいさつ。角南篤理事長は「日中佐官級交流事業の重要性はますます高まっています」と述べました。
また、防衛省防衛政策局国際政策課の西野洋志課長は「日中佐官級交流事業は、日中防衛当局間の中堅幹部の信頼関係と相互理解を促進するものとして、防衛省としても着実な実施を支援しています」と話しました。
歓迎のあいさつを受け、訪日団の団長である中央軍事委員会国際軍事合作弁公室の張保群副主任(陸軍少将)は、日中佐官級交流事業について「両国の安全保障分野における若手リーダーたちの相互理解促進に寄与し、中日の安全保障関係を改善するうえでかけがえのない存在となってまいりました。今後、中日関係を発展させるために、その土台を打ち固めなければならないという決意をもって日本に来ました」と語りました。
笹川陽平名誉会長と談笑する訪日団メンバー
歓迎会に先立ち15日、訪日団は防衛省に芹澤清防衛審議官を表敬訪問し、防衛交流による信頼醸成などをめぐり意見を交わしました。この後、防衛省のシンクタンクである防衛研究所で、双方の安全保障上の関心事項について質疑応答を行いました。
16日は都内の陸上自衛隊衛生学校を訪れ、同校の沿革や衛生・医療分野における国際活動などについて説明を受け、「動く手術室」とも呼ばれ、イラク人道復興支援や東日本大震災などで活躍した装備「野外手術システム」を見学しました。
17日には航空自衛隊小牧基地(愛知県)でC-130H輸送機を、20日には海上自衛隊舞鶴基地(京都府)で多用途支援艦「ひうち」をそれぞれ見学。日中佐官級交流事業では、歴史や文化、社会を知るための訪問プログラムが設けられていることも特徴で、印刷博物館(都内)や大徳寺、天橋立(いずれも京都府)などを見て回りました。
芹澤清防衛審議官(右)を表敬訪問した訪日団
防衛研究所では質疑応答が交わされた
陸上自衛隊衛生学校では野外手術システム(右)などが展示された
C-130H輸送機を見学した訪日団
多用途支援艦「ひうち」の甲板上で
日中佐官級交流事業は、中堅幹部の相互理解の促進と信頼醸成を目的に2001年に始まり、自衛隊と中国人民解放軍が年に1回ずつ相手国を相互に訪れています。今回を含めこれまでに、防衛省・自衛隊から計14回、165人が訪中し、中国人民解放軍からの訪日は計13回、268人にのぼります。コロナ禍の影響などで中断されていた対面での交流は、昨年7月に自衛隊の訪問団が中国を訪れたことで約4年ぶりに再開され、13回目となる今回の中国人民解放軍の訪日は5年ぶり。張保群団長を除くメンバーは上級大佐と大佐が各5人、中佐7人、少佐2人となっています。