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海洋政策研究所(海洋政策実現部)

「北極の未来におけるアジア」をテーマに、北極サークル日本フォーラムを共催

気候変動問題の解決にはアジア諸国の関与が必要

コミュニケーション企画部広報課 山田環


2023.03.27
13分
オーブニングセッションでスピーチするオラフル・ラグナル・グリムソン北極サークル議長

オーブニングセッションでスピーチするオラフル・ラグナル・グリムソン北極サークル議長

 公益財団法人笹川平和財団=SPF(東京都港区、理事長・角南篤)は2023年3月4日から6日まで、北極サークル、(公財)日本財団とともに、北極サークル日本フォーラムを東京で開催しました。

 北極サークルは、北極圏と地球の未来に関する国際的な対話と協力を推進する最大のネットワークです。政府、企業、大学、シンクタンク、環境保護団体、先住民族、市民などが参加する、民主的で開かれた、非営利かつ無所属のプラットフォームです。北極サークル総会は、2013 年から毎年、アイスランドの首都レイキャビクで開催され、2022年10月の総会では2000人以上が参加しました。

 日本フォーラムは、2021年秋に開催の予定でしたが、新型コロナウイルスの蔓延による影響で、日本での対面方式での実施が困難になり、3回にわたり延期を余儀なくされました。その間も、SPFの海洋政策研究所(OPRI)と北極サークル事務局は連携を図り、準備を進めてきました。今回、関係機関の支援のもと、関係者の熱意が実を結び、開催にいたりました。

 「北極の未来におけるアジア」をテーマに開催した今回のフォーラムでは、北極圏の氷が溶け、地球にとって重大な影響を及ぼすという、北極圏が直面する課題について議論が交わされました。また、北極圏における平和的協力関係の維持のために、アジア諸国がどのような役割を果たすことができるのかについても検討が行われました。3日間で、約20カ国から100人以上の講演者が集まり、あわせて50以上のプレナリーセッションとブレイクアウトセッションが行われました。
 
 オープニングセッションには、日本の閣僚を含め多くの国会議員が出席し、スピーチしました。このことをオラフル・ラグナル・グリムソン北極サークル議長は、北極の未来を日本が重要視していることの証であると高く評価しました。
(写真左から)角南笹川平和財団理事長、伊藤忠彦衆議院議員、新藤義孝衆議院議員、グリムソン北極サークル議長、上川陽子衆議院議員、永岡桂子文部科学大臣、グドゥロイグル・トール・トールダルソン・アイスランド共和国環境大臣、笹川陽平日本財団会長、西村明宏環境大臣

(写真左から)角南笹川平和財団理事長、伊藤忠彦衆議院議員、新藤義孝衆議院議員、グリムソン北極サークル議長、上川陽子衆議院議員、永岡桂子文部科学大臣、グドゥロイグル・トール・トールダルソン・アイスランド共和国環境大臣、笹川陽平日本財団会長、西村明宏環境大臣

(写真左から)北極サークル事務局メンバー、OPRI阪口秀所長、OPRIメンバー

(写真左から)北極サークル事務局メンバー、OPRI阪口秀所長、OPRIメンバー

2026度年就航予定 日本の北極域研究船への期待

 永岡桂子文部科学大臣と北極のフロンティアについて考える議員連盟会長を務める鈴木俊一財務大臣から、2026年度に就航予定の北極圏研究船について言及がありました。北極域研究船は、海氷が存在する海域でも観測データが取得でき、新たな知見を得ることができる日本の研究船です。各国と共同で研究や観測を行う国際観測プラットフォームとして、さらに人材育成の場としての活用に期待を示しました。
 
 黄川田仁志衆議院議員からは、今年改定予定の第4期海洋基本計画における主要計画の一つが北極政策であり、政策の三本柱である研究開発、国際協力、そして持続可能な利用を進めていくと言及がありました。

 1日目の最後に行われた「「ロングウェイ・ノース(地球のてっぺん)」と北極の海洋環境保全」セッションでは、冒頭にスタジオジブリによるレター朗読とロングウェイ・ノースのダイジェスト版が上映されました。行方不明の祖父を捜すため北極点を目指す旅に出た少女の冒険を描いた長編アニメーションです。北極議連事務局長を務める伊藤忠彦衆議院議員は「北極圏の重要性や先住民の問題の重要性を世界中の人たちに知ってもらいたい。このフォーラムを通して知ったことを友人、家族、すべての人に知らせてほしい」と、会場に投げかけました。

「夢の航路」実現に挑む SPFの北極海航路事業

「北極ガバナンスの法的諸問題」セッションで発表するOPRIの幡谷研究員

「北極ガバナンスの法的諸問題」セッションで発表するOPRIの幡谷研究員

 SPFは日本財団の支援を受け、1993年に北極海航路事業を開始しました。初日のオープニングセッションで、笹川陽平日本財団会長(SPF名誉会長)から言及がありましたが、SPFはロシア、ノルウェーの研究機関と共同で「国際北極海航路開発計画(INSROP)」や、INSROPに対応する日本独自の「北極海航路の利用促進と寒冷海域安全運航体制に関する調査研究(JANSROP)」を実施してきました。
 
 OPRIの幡谷咲子研究員は「北極ガバナンスの法的諸問題」セッションに登壇し、「SPFは事業開始当初から一貫して、北極海航路の重要性を訴えてきたが、それは現在も変わっていない。今後も継続していくべきだ」と強調しました。また、現在はスエズ運河に負荷がかかりすぎているとして、北回り航路の利用が増えてきており、今後も増え続けるという将来展望を示しつつも、脆弱な地域ゆえに油濁などの環境被害や、冬期の氷に耐えうる砕氷機能をもった船の開発など、課題もあると述べました。

アジアの役割について議論、オブザーバー国間の連携を深める

 北極評議会は1996年に、北極圏国8カ国(カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、米国)によって、北極域における持続可能な開発、環境保護といった共通課題について協力を促進することを目的に設置されました。メンバー国のほか、北極圏諸国に居住する先住民団体6団体も常時参加者として加わっており、日本、中国、韓国、インド、シンガポールは2013年にオブザーバー資格が承認されました。2023年はアジアの5カ国がオブザーバーになってから10年となる節目の年です。

 「北極評議会におけるオブザーバー国の貢献」セッションでは、5カ国の北極担当実務者が、オブザーバー国による北極評議会への貢献のあり方について議論を交わしました。今年中に北極評議会の議長国がロシアからノルウェーに交代するにあたり、評議会やワーキンググループの再開を強く望む声が上がりました。また、気候変動問題に対処するため、特に科学協力の分野において、共同で北極域への貢献を進めていくことを強調しました。
 
 今回のフォーラムでは、アジアの役割に関して様々なテーマで議論が交わされました。OPRIの高翔研究員が座長として登壇した「北極ガバナンス:アジアの役割」セッションでは、「米国の北極政策の分析」「ウクライナ侵攻による北極評議会への影響」「北極航路の平和的な利用」「北極域のマイクロプラスチックごみ」に関する研究が、中国の研究者等から発表されました。マイクロプラスチックごみは海洋環境において極めて大きな懸念材料となっており、今後も研究を進めていく予定です。
 

19億人に影響 ヒマラヤ・ヒンドゥークシュ氷河の融解

 「第三の極としてのヒマラヤ・ヒンドゥークシュ氷河:日本の気象・季節への影響」セッションでは、2023年1月に開催されたアブダビフォーラムで議題にあがった第三の極の現状と課題について、ネパールにある国際総合山岳開発センター(ICIMOD)による発表が行われました。この地域は南極、北極の間にある6万平方キロメートルに及ぶ最大の氷河地域であり、地球温暖化による温度上昇が他の地域よりも速く、2100年までに3分の1から半分が消失(融解)の危機にあるとされています。もしこの地域の氷河が解け水害が起これば、周辺の19億の人々に影響を及ぼすと言われています。
 
 北極評議会は、北極域の氷河研究をこの地域にも応用できないか検討を進めています。OPRIの阪口秀所長は「この地域に暮らす多くの人々の生活が脅かされる問題であることを知ってほしい。SPFとしてもこのプログラムをサポートしていきたい」と強調しました。
「第三の極としてのヒマラヤ・ヒンドゥークシュ氷河」セッションの様子

「第三の極としてのヒマラヤ・ヒンドゥークシュ氷河」セッションの様子

「北極とアジアの食の繋がり」セッションで、ノルウェー産サバを使った料理を披露する阪口所長

「北極とアジアの食の繋がり」セッションで、ノルウェー産サバを使った料理を披露する阪口所長

食を通じて北極とアジアをつなげる

 食をテーマにした「北極とアジアの食の繋がり:食文化をめぐる障害の打破」セッションでは、主にノルウェー産の水産物を使った料理や食品について議論が交わされました。阪口所長が栄養価の高いサバを使った料理を紹介する動画が上映され、マヨネーズ、味噌、トリュフソースなどのトッピングをサバに乗せてオーブンで焼くという、シンプルながらもおいしそうな調理方法を披露しました。海水温の上昇によって日本でサバの漁獲量が減っていることや、若者の魚離れに懸念を示し、切り身をピザのトッピングにするなど短時間でできるアイデアが出されました。
 
 食品を通じた北極域とアジアのつながりには、水産の知識を消費者が簡単に入手できるようにすることが大切であり、食品は文化的な交流にとって完璧な手段であるといった発言がありました。

気候変動問題の解決にはアジア諸国の関与が必要

 最終日の閉会セッションでは、グリムソン議長と角南理事長による公開対話として、フロアの参加者との自由闊達な議論、意見交換が行われました。
 
 SPFの役割を尋ねられた角南理事長は、各国政府間の対話や協力がうまく機能しない時こそ重要であると強調しました。北極域の先住民のコミュニティ、北極圏国、非北極圏国間の協力を推進することが民間財団としての役割であり、北極サークルの使命でもあると述べました。
 グリムソン議長は、世界の人口の75%が住むアジア・アフリカの国々、特にその都市部のエネルギーシステムが北極の未来を左右するとして、北極における気候変動問題に対応する上で、アジア諸国のさらなる関与が欠かせないと強調しました。角南理事長は、太平洋島嶼国の国々においても北極域の問題が注目されていると述べ、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)における彼らの参加を後押ししていくことを表明しました。
 
 閉会にあたり、グリムソン議長は、参加者一人ひとりがスポークスマンであるこのフォーラムで、対話と関与の重要性を示してくれたことに感謝し、今後も様々なステークホルダーからの積極的な参加に期待を示しました。
閉会セッションでの公開対話の様子

閉会セッションでの公開対話の様子


海洋政策研究所(海洋政策実現部)
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