ニュース
海洋政策研究所(海洋政策実現部)
第8回海洋安全保障シンポジウム
「気候変動に対応する海上防衛力への課題と期待」
2021.11.01
6分
笹川平和財団海洋政策研究所(OPRI)は2021年10月25日、水交会との共催で、第8回海洋安全保障シンポジウム「気候変動に対応する海上防衛力への課題と期待」をオンラインで開催しました。
このシンポジウムは現職の海上自衛官、海上防衛の現場での実務経験を有する水交会会員、海洋安全保障分野の研究者が忌憚なく議論するユニークなもので、今回が8回目となります。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行に対応するためオンラインで開催された今回のシンポジウムでは、気候変動の現状と今後予想される変化を踏まえ、その変容が国家安全保障、特に海洋安全保障にどのような影響を与えるのかを多角的に議論し、海洋ガバナンスへの悪影響を未然に防ぐための方策を提示することを目指しました。
このシンポジウムは現職の海上自衛官、海上防衛の現場での実務経験を有する水交会会員、海洋安全保障分野の研究者が忌憚なく議論するユニークなもので、今回が8回目となります。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行に対応するためオンラインで開催された今回のシンポジウムでは、気候変動の現状と今後予想される変化を踏まえ、その変容が国家安全保障、特に海洋安全保障にどのような影響を与えるのかを多角的に議論し、海洋ガバナンスへの悪影響を未然に防ぐための方策を提示することを目指しました。
基調講演を行う真殿知彦・海上自衛隊幹部学校長
パネルディスカッションの様子
角南篤・笹川平和財団理事長の開会挨拶の後、真殿知彦・海上自衛隊幹部学校長より「気候変動に対応する海上防衛力への期待と課題」と題した基調講演が行われました。冒頭で「気候変動問題は近年、安全保障の問題としても捉えられるようになっている」と述べた上で、近年の気候変動による影響について概観され、特に海洋への影響として、海面上昇のほか、海水温度の上昇や海流、塩分濃度の変化も挙げ、「これらの変化が安全保障にも大きな影響を及ぼすもの」になり得ると指摘されました。
また、南アジアやアフリカなどの地域で洪水、酷暑、間伐の増加などによる食料不足や、太平洋島嶼国における漁業への打撃や海面上昇による沿岸部の侵食によって国土が消滅することに対する強い懸念を示されました。その上で、国連安全保障理事会や北大西洋条約機構(NATO)、またアメリカ、オーストラリア、フランスなどの各国の国防機関が気候変動をどのように認識し、どのような方針で対応しているかについてもご紹介いただきました。
最後に、気候変動によって海上自衛隊の活動を取り巻く環境が変わったことを指摘し、「災害の激甚化が認められる将来にあっても、各種事態に対する能力を維持するためには、基地や装備の持続性など、変化に適応していくことが重要」であること、また「気候変動は起こらないという態度ではなく、気候変動が起こると仮定でして、それにどう備えるのかという姿勢で、将来の装備品の取得や施設の整備などについて今からしっかりと検討しておかなければならない」との考えを示されました。
続くパネルディスカッションでは、秋元一峰・OPRI特別研究員がモデレーターを務め、真殿学校長、佐瀬智之・海上自衛隊幹部学校防衛戦略教育研究部戦略研究室長、髙島辰彦水交会研究委員(元潜水艦隊司令官)、德地秀士・平和・安全保障研究所理事長(元防衛審議官)、前川美湖・OPRI主任研究員が「海事の気候安全保障の取り組みの方向性」や「気候変動の会場作成に与える影響」、「気候変動と『国家安全保障戦略』・『防衛計画の大綱』」、「海洋と沿岸域を取り巻く気候安全保障-移住の視点から」というテーマについてそれぞれ発表するとともに、視聴者から寄せられた質問やコメントも交えた活発な議論が交わされました。
最後に、閉会挨拶では杉本正彦・水交会理事長より「気候変動は、自然災害だけでなく、国際的な安全保障環境の不安定化、海上自衛隊の作戦運用においても、大きな影響を与える」との見解を示されるとともに、来年以降の本シンポジウム開催についての期待が寄せられました。
なお、今回のシンポジウムの詳細については、2022年初春に刊行予定の『水交』でも紹介される予定ですので、ぜひご覧下さい。
【参考資料】
今回のシンポジウムの資料は以下のリンクよりPDF版をご覧いただけます。
プログラム・登壇者略歴
基調講演資料
パネルディスカッション資料①
パネルディスカッション資料➁
パネルディスカッション資料③
パネルディスカッション資料④
また、南アジアやアフリカなどの地域で洪水、酷暑、間伐の増加などによる食料不足や、太平洋島嶼国における漁業への打撃や海面上昇による沿岸部の侵食によって国土が消滅することに対する強い懸念を示されました。その上で、国連安全保障理事会や北大西洋条約機構(NATO)、またアメリカ、オーストラリア、フランスなどの各国の国防機関が気候変動をどのように認識し、どのような方針で対応しているかについてもご紹介いただきました。
最後に、気候変動によって海上自衛隊の活動を取り巻く環境が変わったことを指摘し、「災害の激甚化が認められる将来にあっても、各種事態に対する能力を維持するためには、基地や装備の持続性など、変化に適応していくことが重要」であること、また「気候変動は起こらないという態度ではなく、気候変動が起こると仮定でして、それにどう備えるのかという姿勢で、将来の装備品の取得や施設の整備などについて今からしっかりと検討しておかなければならない」との考えを示されました。
続くパネルディスカッションでは、秋元一峰・OPRI特別研究員がモデレーターを務め、真殿学校長、佐瀬智之・海上自衛隊幹部学校防衛戦略教育研究部戦略研究室長、髙島辰彦水交会研究委員(元潜水艦隊司令官)、德地秀士・平和・安全保障研究所理事長(元防衛審議官)、前川美湖・OPRI主任研究員が「海事の気候安全保障の取り組みの方向性」や「気候変動の会場作成に与える影響」、「気候変動と『国家安全保障戦略』・『防衛計画の大綱』」、「海洋と沿岸域を取り巻く気候安全保障-移住の視点から」というテーマについてそれぞれ発表するとともに、視聴者から寄せられた質問やコメントも交えた活発な議論が交わされました。
最後に、閉会挨拶では杉本正彦・水交会理事長より「気候変動は、自然災害だけでなく、国際的な安全保障環境の不安定化、海上自衛隊の作戦運用においても、大きな影響を与える」との見解を示されるとともに、来年以降の本シンポジウム開催についての期待が寄せられました。
なお、今回のシンポジウムの詳細については、2022年初春に刊行予定の『水交』でも紹介される予定ですので、ぜひご覧下さい。
今回のシンポジウムの資料は以下のリンクよりPDF版をご覧いただけます。
プログラム・登壇者略歴
基調講演資料
パネルディスカッション資料①
パネルディスカッション資料➁
パネルディスカッション資料③
パネルディスカッション資料④