安全保障研究グループ セミナー
第2回 サイバーセキュリティセミナー2022

中国の認知領域の戦い

ー台湾有事を念頭にー

主催:笹川平和財団
笹川平和財団では、「日本のサイバー安全保障の確保Ⅱ」事業の一環として、「サイバーセキュリティセミナー2022」を開催致します。

 現在、台湾有事への懸念と中国への警戒感が急速に増大しています。ウクライナ侵攻において、ロシアはサイバー戦や情報戦を組み合わせたハイブリッド戦を展開しましたが、中国も同様の戦略を有しています。中国の軍事戦略においては、心理戦、輿論戦、法律戦の三戦の概念をベースに、認知空間の戦闘で勝つという「制脳権」という概念を打ち出しています。この「制脳権」は、メディアを通じた影響工作や情報操作型のサイバー攻撃を用いて敵の認知に影響を与え、誤った判断を導くことで、敵の意思決定メカニズムを改ざんすることを目的としています。将来の台湾有事においては、この認知領域の戦いが、台湾のみならず、軍事支援を行う米国や日本に対しても展開されることが予測されます。

 そこで、本年度第2回目となる今回のセミナーでは、中国の新領域に関する安全保障、特に認知領域の戦いに知見のある土屋貴裕先生、元駐中国防衛駐在官であり、中国の安全保障や外交政策に造詣の深い小原凡司上席研究員を登壇者に迎え、情報操作型サイバー攻撃を伴う中国の認知領域の戦いの課題を広く共有するとともに、台湾有事を見据えて、安全保障上の課題の議論を深めて参ります。

 本セミナーが、日本と国際社会におけるサイバーセキュリティの現状と課題について、皆様の理解を深める一助となれば幸いです。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
事務局
安全保障研究グループ
E-mail: anpo-seminar@spf.or.jp
Tel: 03-5157-5209

※取材についてのお問い合わせはコミュニケーション企画部広報課へお願いいたします。
E-mail: spfpr@spf.or.jp
Tel: 03-5157-5389

プログラム

16:30 開会挨拶
茶野 順子(笹川平和財団常務理事)
16:35 講演 ※講演順は変更される場合があります。
土屋 貴裕 氏 / 小原 凡司 
17:35 ディスカッション・質疑応答
土屋 貴裕 氏 / 小原 凡司 / モデレータ:大澤 淳
18:00 閉会

講演者

土屋 貴裕 Takahiro TSUCHIYA
講演者

土屋 貴裕 Takahiro TSUCHIYA

京都先端科学大学経済経営学部経済学科 准教授

プロフィール

慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科卒業。一橋大学大学院経済学研究科修了。防衛大学校総合安全保障研究科後期課程卒業。博士(安全保障学)。外務省国際情報統括官組織第二国際情報官室専門分析員、在香港日本国総領事館専門調査員などを経て現職。主な著書に、『現代中国の軍事制度:国防費・軍事費をめぐる党・政・軍関係』(単著、勁草書房、2015年)、『米中の経済安全保障戦略:新興技術をめぐる新たな競争』(共著、芙蓉書房出版、2021年)など。

小原 凡司 Bonji OHARA
講演者

小原 凡司 Bonji OHARA

笹川平和財団 上席研究員

プロフィール

1985年 防衛大学校卒業、1998年 筑波大学大学院(地域研究修士)修了(修士)。1985年に海上自衛隊入隊後、回転翼操縦士として勤務。2003年~2006年 駐中国防衛駐在官。2006年防衛省海上幕僚監部情報班長、2009年 第21航空隊司令、2011年IHS Jane’s アナリスト兼ビジネス・デベロップメント・マネージャーを経て、2013年に東京財団、2017年6月から現職。単書に『中国の軍事戦略』(東洋経済新報社)『軍事大国・中国の正体』(徳間書店)『何が戦争を止めるのか』(ディスカバートゥエンティワン)『曲り角に立つ中国』共著(NTT出版)、共著に『米中新冷戦の幕開け』(東洋経済新報社)、『よくわかる中国現代政治』(ミネルヴァ書房)、『台湾有事のシナリオ 日本の安全保障を検証する』(ミネルヴァ書房)等。

大澤 淳 Jun OSAWA
モデレータ

大澤 淳 Jun OSAWA

笹川平和財団 特別研究員、中曽根康弘世界平和研究所 主任研究員、鹿島平和研究所 理事

プロフィール

1971年生。慶應義塾大学法学部1994年卒、同大学大学院法学研究科修士課程1996年修了(法学修士)。1995年世界平和研究所研究員、2009年同主任研究員、2014年〜2016年内閣官房国家安全保障局参事官補佐(サイバー安全保障担当)、2017年より中曽根康弘世界平和研究所主任研究員。併任職として、2004年〜2006年外務省国際情報統括官組織専門分析員、2007年〜2009年外務省総合外交政策局外交政策調査員、2013年米国ブルッキングス研究所客員研究員(招聘給費)、2012年〜2016年政策研究大学院大学(GRIPS)客員研究員、2017年〜2019年内閣官房国家安全保障局シニアフェローを歴任。
最近の著作に、「サイバー情報操作の脅威から日本をどう守るのか」中央公論新社『中央公論』2022年4月号。「将来戦を見据えた新領域整備を」産経新聞社『正論』2022年8月号。「台湾有事とハイブリッド戦争」笹川平和財団 国際情報ネットワーク分析IINA、2022年8月。

開催一覧

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