
SOFT RECOGNITION ― 自己決定権を持つグループの国際問題への関与
国際問題は従来、中央政府が主導するものでしたが、グローバル化により国内・国際政治の境界が曖昧になっています。本報告書では、連邦制下などで一定の自己決定権を持つグループが国際問題に関与する「SOFT RECOGNITION(柔軟な認識)」を提案。これらのグループが国際機関や外交プロセスに参加するメカニズムを示し、すべての関係者—国家、多国間機関、そして市民—にとっての利益を強調しています。
笹川平和財団では、平成25年度の新規事業開拓の一環として、インパクト投資に関する調査研究を実施致しました。インパクト投資とは、経済的な利益を追求とすると同時に、貧困や環境などの社会的な課題に対して投資を通じた解決を図ろうとする、つまり「社会貢献(do good)」と「経済成功(do well)」の双方を同時に達成することを目的とした、新しい手法の投資です。
本報告書は、スイスに本拠地を置くシンクタンクであるインパクト・エコノミーのマーチン・マクシミリアン博士により執筆され、2013年にG8の非公式会合として英国のキャメロン首相により開催された社会的投資フォーラムにて配布されたレポートの一部修正版(Making Impact Investible)の日本語訳です。
カテゴリー区分 | 調査報告書 |
一般/基金区分 | 笹川平和財団 |
発行 | 2014.04 |
著者/編者 | 執 筆 インパクト・エコノミー マクシミリアン・マーチン 翻 訳 笹川平和財団 特任研究員 小木曽麻里 日本財団 国際協力グループ 国際ネットワーク・チーム長 小林立明 監 訳 慶應義塾大学大学院・政策メディア研究科 特任助教 伊藤健 |
目次 | 要約 1.インパクト投資とは何か?分析対象の理解 1−1.用語と社会的文脈 1−2.インパクト投資資本の様々な形態 1−3.阻害要因と促進要因 2.持続可能な価値の創出:4つのメガ・トレンド 2−1.「BoP(ボトム・オブ・ピラミッド)」に鬱積している巨大な需要 2−2. 資源利用の飛躍的な効率化とグリーン成長 2−3.福祉国家の効率化に向けた構造改革 2−4.「健康的で持続可能なライフ・スタイル(LOHAS)」消費者の台頭 3.インパクト投資市場の需給両面における成長 3−1.政策手段の概観 3−2.コンセプトから実現へ 3−3.将来の青写真と具体的事例 3−4.取り組むべき障害 4.インパクト投資のエコシステム 4−1.セクターの構築:フィランソロピー投資家の比較優位 4−2.投資案件の醸成、投資、育成:エンジェル投資家とベンチャー投資家 4−3.スケールアップの苗床:専門投資家 4−4.メイン・ストリーム化:機関投資家 4−5.インパクト・ビジネスのイノベーション:民間企業のインパクト・ベンチャー 4−6.資金仲介とホールセール:金融機関 5.結論:ニッチ市場からメガ市場へ 5−1.市場形成の障壁を克服する 5−2.インパクトをメガに:現行のインパクト評価システムの限界を取り除く 6.更なる読書のための12の 参考文献 7.謝辞、著者略歴、免責事項 |