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【参加報告】海洋政策研究所が2023 Arctic Circle Assemblyに参加しました。
2023年10月19日から10月21日にアイスランドのレイキャビックで開催された北極サークル2023年総会(2023 Arctic Circle Assembly)に角南篤理事長以下、笹川平和財団海洋政策研究所の役職員が参加しました。
「北極サークル(Arctic Circle)」は、アイスランド共和国のオラフル・ラグナル・グリムソン前大統領の提唱で2013年に始まった北極の諸問題について議論する世界最大級の国際会議です。今年もハイレベルの政府関係者、研究者、ビジネス関係者など約2,000人が集まり、活発な議論が交わされました。
当研究所も10月21日に角南理事長が同会合の本会議であるプレナリーセッション(開会式)に登壇し、本年3月4~6日に開催した北極サークル日本フォーラム(開催概要はこちら)の開催報告を行いました。
プレナリーセッションに先立ち、海洋政策研究所が主催する分科会(Breakout Session)として「Opportunities for Cooperation in the Arctic: Dialogue between Japan, China and Korea」と題した会合が開催され、阪口秀海洋政策研究所長による進行のもと、北極に関する調査研究を先導する日中韓各国の研究者による研究報告や取り組みの紹介が行われました。その後行われた質疑応答では、日中韓各国による北極分野での協力の意義や可能性に関する意見交換が行われました。
また、北極サークル北極課題委員会(Arctic Circle Mission Council on the Global Arctic)が主催する分科会「On Thinning Ice: The Climate Crisis- A New Discipline for Disciplining?」に角南篤理事長が登壇し、北極域の置かれている現状への理解と複雑な課題に向けて、継続的な国際協力と対話の重要性を強調しました。
さらに、北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)、国立極地研究所、海洋研究開発機構および北海道大学が共催する分科会「From Glacier to ocean and coast: societal impact of climate」においては、幡谷咲子海洋政策研究所研究員が登壇し、北洋航路の利用と沿岸住民に関する法的な話題について、緊急時の避難システムや外航船の乗組員への医療支援の提供の議論の必要性を指摘しました。
海洋政策研究所は、前身であるシップ・アンド・オーシャン財団時代の1993年から北極海航路に関する調査研究に取り組んできました。今後も当研究所は北極サークルでの活動をはじめ、日本における北極政策の推進に寄与すべく、調査研究に邁進して参ります。 なお、北極サークル2023年総会のプログラムや角南理事長の講演の様子は以下に掲載されておりますのでぜひご覧ください。
2023 Arctic Circle Assembly: Official Site
"The Success of the Arctic Circle Japan Forum" Atsushi Sunami, President, Sasakawa PeaceFoundation : YouTube movie
(文責:海洋政策研究所 研究員 幡谷咲子)