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【開催報告】オンライン国際会議「アフリカ東海岸の物流回廊:『自由で開かれたインド太平洋ビジョン』の文脈から」

2021.12.02

 笹川平和財団海洋政策研究所(OPRI)と日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団は2021年11月18日、オンライン国際会議「アフリカ東海岸の物流回廊:『自由で開かれたインド太平洋ビジョン』の文脈から」をオンラインで開催しました。

 このシンポジウムはアフリカ大陸の主要な物流回廊であるアフリカ東海岸に注目し、我が国が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の文脈から、東アフリカにおける物流回廊の持続的な発展と成長のために、日本や世界がとるべきアプローチや、シーレーンの安定的な機能を確保する方法について、学術的な見地からの検討を目指して開催しました。

 冒頭の開会挨拶では、阪口秀・笹川平和財団海洋政策研究所長より、インド太平洋地域におけるシーレーンの終端であり、アフリカ内陸諸国にとって生命線とも言えるアフリカ東海岸に注目する意義が紹介されるとともに、このシンポジウムでの議論を踏まえて、笹川平和財団海洋政策研究所および日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団が実施している調査研究がより発展することへの期待が表明されました。

 続いて、カリファ大学(アラブ首長国連邦)のブレンドン・キャノン助教授より「『自由で開かれたインド太平洋』と東アフリカの物流回廊」、笹川平和財団海洋政策研究所の秋元一峰特別研究員により「海洋から東アフリカの物流回廊へ」と題した基調講演が行われました。基調講演では、キャノン助教授よりFOIPが中国の提唱する「一帯一路」構想とは異なる文脈において展開していることが示されました。また、秋元特別研究員より気候変動によりユーラシア大陸およびアメリカ大陸を回遊する新たな海上交通路(blue infinity loop)が形成され、既存の海洋秩序が大きく変化する可能性が示唆されました。

基調講演の様子(左:キャノン助教授、右:秋元特別研究員)写真

基調講演の様子(左:キャノン助教授、右:秋元特別研究員)

 パネルディスカッションでは、日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団の中山幹康専務理事がモデレーターを務め、コメンテーターとして登壇した環境法研究所(米国)のカール・ブルック上席弁護士が米国政府の観点から、防衛大学校の相澤輝昭准教授が「自由で開かれたインド太平洋」構想の観点から、笹川平和財団海洋政策研究所の小林正典主任研究員および渡邉敦主任研究員がブルーエコノミー開発の観点から、それぞれコメントが寄せられました。その後、コメンテーターからのコメントや質問に回答する形で議論が進められました。最後に中山専務理事による取りまとめが行われ、本シンポジウムは終了しました。

パネルディスカッションの様子写真

パネルディスカッションの様子

 なお、本シンポジウムはYouTubeよりLIVE配信されました。動画をこちらからご視聴いただけます。また、プログラムと各講演者の報告資料(プログラム報告資料①および報告資料② )も公開しておりますので、あわせてご覧ください。
(文責:海洋政策研究所 研究員 小森 雄太)

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