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「北極ガバナンスに関する国際ワークショップ2018」を開催しました

2018.02.16

 2018年2月8日、9日の2日間、当財団は日本財団および政策研究大学院大学(GRIPS)との共催で「北極ガバナンスに関する国際ワークショップ2018」を開催いたしました。昨年の開催に続き2度目となった今回のワークショップは、3者が2016年に設置した「北極の未来に関する研究会」における活動の一環として開催されました。

 今回のワークショップでは、北極域の保全・保護と利用、持続可能な開発の観点から北極域の将来像、日本を含むアジア地域の協力の在り方ならびに我が国が優先的に取り組むべき施策とは何かを明らかにしていくことを目的に議論が行われました。今回は北極サークルの議長をつとめるオーラヴル・ラグナル・グリムソン氏(前アイスランド大統領)をはじめ、北極圏国7か国(米国、カナダ、ロシア、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、フィンランド)とアジアの北極評議会オブザーバー4か国(日本、中国、シンガポール、インド)+EUから北極問題に精通したキーパーソンを中心に総勢約110名の参加がありました。

登壇者、関係者による集合写真

登壇者、関係者による集合写真

日本財団の笹川陽平会長による開会挨拶写真

日本財団の笹川陽平会長による開会挨拶

江崎鐵磨内閣府特命担当大臣(海洋政策)による基調講演写真

江崎鐵磨内閣府特命担当大臣(海洋政策)による基調講演

グリムソン議長 (前アイスランド大統領)

北極サークルのオーラヴル・ラグナル・グリムソン議長 (前アイスランド大統領)による特別講演

公開セッションの議論

公開セッションの議論

  続く2日目は「国際協力(北極協力におけるアジアの役割と期待)」についての発表と議論が行われた後、2日間の総括セッションが行われました。2日間の議論を受け、グリムソン議長は北極域における今後の展望および課題として、大きく3つのポイントを挙げました。すなわち、①各国による科学的な研究が推進されているなか、国際的な連携および協力に向け、システマティックな議論が必要とされていること、②エネルギー資源、北極海航路、観光産業など、さまざまな分野における経済活動が行われており、今後の投資や経済計画が高まりを見られること、そして③日本、中国、韓国をはじめとする、いわゆる「オブザーバー国」が既に北極での協力関係において確固たる地位を築いており、さらにそれを広げていこうとする意志が感じられること、の3点です。これらを踏まえ、ワークショップに参加された登壇者からもコメントがあり、本ワークショップのように国際的な連携を推進できる場で今後も議論していく必要性が確認されたほか、日本をはじめとするアジア各国への期待も述べられ、2日間のワークショップは閉会されました。

 

 また、1日目の公開セッション後にはグリムソン議長および当研究所の角南篤所長による記者会見も開催されました。会見の内容につきましては、当財団ホームページに詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

記者会見の様子

記者会見の様子

【参考】

①「北極の未来に関する研究会」について:2016年に当財団、日本財団および政策研究大学院大学(GRIPS)は、我が国は「北極問題」に対してどのように取り組むべきかについて議論を行うため、同研究会を設置しました。この研究会では、日本の北極域に関係する主な研究者(自然科学から社会科学全般)、産業界関係者を中心にオブザーバーとして各省庁、地方自治体、国会議員等も参加し、総勢80名の有識者がセクターの垣根を超えた闊達な議論を行っています。

 

② 2018年1月には江崎鐵磨内閣府特命担当大臣(海洋政策)に対し、研究会でまとめた「我が国が重点的に取り組むべき北極に関する課題と施策」に関する提言書が手交されました(詳しくはこちら)。また、提言書本体は下記からダウンロードいただけます。
 

我が国が重点的に取り組むべき北極に関する課題と施策
 

③ 昨年の開催報告についてはこちらをご覧ください。

 

④ 当研究所の北極海事業についてはこちらをご覧ください。

お問い合わせ先
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所
担当:酒井、藤川、本田
TEL:03-5157-5210(代表) FAX:03-5157-5230

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