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「日本・インドネシア海洋安全保障ダイアローグ」第１回会議の開催
日時：平成18年2月19日（日）～20日（月）
場所：インドネシア国ジャカルタ市内
海洋政策研究財団では、わが国とインドネシアとの海洋安全保障対話を通じ、東南アジア海域の治安の維持改善と安全保障環境の安定化を図ることを目的として、本年度より「日本・インドネシア海洋安全保障ダイアローグ」を開始しました。
世界最大の群島水域を有するインドネシアは、海賊・武装強盗や海上テロの脅威、さらには、群島水域内のアメリカ海軍艦艇の航行問題など、治安・軍事と海洋利用に係わる様々な問題を抱えています。これらはいずれも、日本の安全保障に大きな影響を及ぼさずにはおきません。すなわち、インドネシアの国際協調なくして東南アジアからインド洋に伸びるCOWOCの安全は確保し得ないと言っても過言ではありません。インドネシアとの信頼醸成を促進し、国際的な海上防衛警備態勢の構築を図ることは、日本からインド洋に至る海洋の安全保障環境の安定化に寄与するものであると考えます。
一方で、インドネシアは政治・経済的にわが国と深い関係を持ち、国民感情は親日的であり、対話を深めることによって、安全保障環境の安定化のみならず政治・経済・文化的な面から両国の良好な関係を促進させることが期待されます。
以上の成果を期して、日本・インドネシア両国の海洋安全保障あるいは海上安全の政策やオペレーションに影響力のある専門家を招へいし、平成18年2月19日と20日の両日、インドネシアの首都ジャカルタで第1回会議を開催しました。会議では、初日における対話の目的の確認と会議の実施要領に関する意見交換に続いて、会議2日目には、インドネシア国防大臣による講演に加え、3つのトピック、?地域にける政治・外交・安全保障上の諸問題、?海上の治安警備および海洋安全保障協力、?両国関係の今後の展望、をテーマにセッションを設けて発表と討議を重ね、最後に、今後の対話の在り方について意見交換を行いました。
会議を通じて、インドネシア群島水域および周辺海域の安全保障上の諸問題が具体的に示されると共に建設的な意見が提出されました。双方参加者は、次回会議を平成18年の秋期に東京で実施し、議論の深化を図っていくことで合意しました。会議のアジェンダ及び各プレゼンター等は以下のとおりです。
| 1800-1930 | セッション１「運営委員会会合」 |
| 0900-0930 | セッション２「キーノートスピーチ」（議長：秋元一峰） オープニングスピーチ：ユウォノ・スダルソノ国防大臣（講演仮訳） 冒 頭 発 言：白石 隆 日本側スピーチ：秋山昌廣 インドネシア側スピーチ：Adm.(Ret'd.) Bernard K. Sondakh |
| 0930-1200 | セッション３「地域における政治・外交・安全保障上の諸問題」（議長：Dr. Kusnanto Anggoro） |
| 0930-1010 | ａ「地域における政治・外交上の諸問題と今後の展望」 発表："Indonesia Perspective on Security Cooperation in Asia Pacific" R.Adm. (Ret'd) Rosihan Arsyad 発表：「日尼関係の考察」白石 隆 |
| 1020-1110 | ｂ「海洋と通商の安全保障」 発表：「海上通商路の防衛」秋元一峰 発表：「海賊問題の現在」山田吉彦 発表："Counter Piracy and Maritime Terrrorism" Robert Mangindaan |
| 1110-1200 | 討 議 |
| 1300-1520 | セッション４「海上の治安・警備および海洋安全保障協力」（議長：秋山昌廣） |
| 1300-1340 | ａ「海洋における法執行」 発表："Indonesian Naval Forces and Policing at Sea" Vice Adm. Djoko Sumaryono 発表：「海上の治安維持のための国際協力の必要性」縄野克彦 |
| 1340-1420 | ｂ「海賊・武装強盗の実態と海上テロの危険性」 発表："Threat Assessment and Responses" Dr. Kusnanto Anggoro 発表：「防衛警備交流の可能性と展望」山本 安正 |
| 1420-1520 | 討 議 |
| 1530-1710 | セッション５「日尼関係の展望」（議長：Mr. Djunaedi Hadisumarto） |
| 1530-1610 | 発表：「日本インドネシア関係の将来的発展に向けて」湯浅 博 発表："The Prospect of Japan-Indonesia on Maritime Security Cooperation" Dr. Ikrar Nusa Bhakti |
| 1610-1710 | 全体討議「今後の対話の在り方について」 |
| 1710-1730 | 閉会挨拶 インドネシア側：Adm.(Ret'd) Bernard K. Sondakh 日本側：秋山昌廣 |
白石 隆 政策研究大学院大学副学長
山本 安正 川崎重工株式会社顧問（元海上自衛隊海上幕僚長）
縄野 克彦 日本航空常務理事（元海上保安庁長官）
湯浅 博 産経新聞論説委員
山田 吉彦 日本財団広報グループ広報チームリーダー
秋山 昌廣 海洋政策研究財団会長（元防衛事務次官）
秋元 一峰 海洋政策究財団主任研究員（元防衛研究所主任研究官）
インドネシア側デレゲーション
Dr. Dino Patti Djalal, Presidential Spokesman on International Affairs
Adm. (Ret'd) Bernard Ken Sondakh, Former Navy's Chief of Staff
Vice Adm. Djoko Sumaryono, Secretary to Coordinator Minister in Politics, Laws & Security
Rear Adm. (Ret'd) Rosihan Arsyad
Rear Adm. (Ret'd) Mualimin Santoso MZ
Mr. Robert Mangindaan
Mr. Agus Kartasasmita, Member of Parliament
Mr. Heri Akhmadi, Member of Parliament
Mr. Djunaedi Hadisumarto, National Development Planning Agency (BAPPENAS)
Dr. Kusnanto Anggoro, Dr, Researcher, Pro-Patria Institute
Dr. Ikrar Nusa Bhakti, Researcher, Indonesian Institute of Sciences (LIPI)
Mr. Oentoro Surya, Chairman of Indonesian National Shipowners' Assosiation (INSA)