Solutions Journalism in Practice 001:「息子には継げと言えない」産業を、誰が支えるのか。石川県の二つの挑戦/京論壇チーム
Solutions Journalism in Practice 001:「息子には継げと言えない」産業を、誰が支えるのか。石川県の二つの挑戦/京論壇チーム
「自分の息子にも、この業界を継げとは言えない」
石川県加賀市の山中温泉地区。山中漆器の技術を教える研修施設で、長年ろくろを挽いてきた職人はそう語った。息子が幼い頃に同じ仕事をしたいと話した際も、「絶対やめてくれ」と伝えたという。
職人として生計を立てるのは容易ではなく、自身も妻の収入に支えられながら仕事を続けてきた。それでも、目の前には全国から集まった研修生たちがいる。「自分らの子どもには勧められないものを、この子らは『やりたい』って言ってくれるところに、僕らもちゃんと向き合って、ろくろのことを教えてあげたい」と職人は話す。
同じ石川県の能登半島・七尾市でも、創業85年の牡蠣養殖業者が熟練のむき子(牡蠣の殻をむく作業員)を失いつつある。家族や地域の限られた担い手に頼ってきた産業を、これから誰が、どのように支えていくのか。性格の異なる二つの現場を取材し、その手がかりを探った。