中東イスラム政治変動講演会シリーズ第13回目は、トルコを代表するシンクタンク、政治経済社会研究財団(SETA)のターリップ・クチュクジャン氏及びウフク・ウルタシュ氏をお迎えして、2013年9月25日(水)に「エルドアン政権の地域安定化への試み」と題し講演会を開催しました。
笹川平和財団は激変する中東の政治情勢に対応するため、中東イスラム政治変動講演会をシリーズで開催しています。第13回目となる今回は、トルコを代表するシンクタンク、政治経済社会研究財団(SETA)のターリップ・クチュクジャン氏及びウフク・ウルタシュ氏をお迎えして、2013年9月25日(水)に「エルドアン政権の地域安定化への試み」と題し講演会を開催しました。
トルコでは好調な経済成長を背景に、3期目を務めるエルドアン首相が高い支持を得て長期政権を保持してきました。NATOとG20の両方に加盟しているトルコは戦略的要地に位置しており、地域の安定のために果たし得る重要な役割を認識し、近隣諸国との関係改善および強化を進め、中東和平、イランの核開発問題やシリア危機の解決のために外交交渉を続けています。
トルコは、「アラブの春」を迎えた諸国にとっての民主化モデルと言われてきました。一方、穏健イスラムとされる公正発展党(AKP)のもとで進められてきた、女性のスカーフ着用許可や酒類の販売・飲酒場所の規制などのイスラム回帰ともいえる政策は、共和国建国以来の国是である政教分離に反するとして、世俗派国民の反発と抗議を招きました。2013年5月にはイスタンブールのタクシム広場再開発計画に反対するデモが反政府運動へ拡大し、全土に広がっています。
中東地域の政変や政権交代はエルドアン政権の内外政策にどのような影響を与えているのか、周辺国との関係の変化について、専門家の立場からご講演いただきました。