
報告書『インド太平洋における 日米豪戦略協力: 危機シミュレーションによる 三国連携の検証』
笹川平和財団は、豪州シドニー大学米国研究センター(USSC)と共に、インド太平洋地域の戦略的危機に関する戦略シミュレーションを実施しました。このシミュレーションは、台湾海峡両岸危機と朝鮮半島の核危機という二つの相互に関連する危機を中心に行われました。
政策提言「日本の防衛外交強化に向けて」の発行
当財団の「日本の防衛外交」事業(2019-)では、この度、これまでの研究成果として政策提言「日本の防衛外交強化に向けて」(全22ページ)を発行しました。
近年、欧米や中国をはじめとした各国の防衛当局は、保有する人的資源や装備品など軍事アセットを他国との安全保障協力に用いることで、自国の対外影響力の向上を図る「防衛外交(defence diplomacy)」を積極的に実施しています。日本も例外ではなく、現行の防衛大綱では安全保障協力の強化が防衛の基本方針に加わり、コロナ禍でも各国防衛当局および軍との連携が進められています。不確実性を増す国際社会において、軍事アセットというハードパワーを使用しながらも、ソフト面での影響力も行使できる防衛外交の重要性がかつてなく認識されつつある中、日本の取組は政策・制度・体制・運用において他国に比べて未だ発展途上です。このような認識に基づき、政策提言「日本の防衛外交強化に向けて」では、喫緊の課題につき9つの提言を行います。
提言のダウンロードはこちらからできます。
<提言タイトル一覧>
提言1 「防衛外交戦略」の策定を
提言2 防衛外交のための省庁横断の司令塔をつくるべき
提言3 防衛外交に戦略的コミュニケーションの視点を反映する
提言4 共同訓練、共同行動のための早急な枠組み整備を
提言5 文民統制の確立に資する能力構築支援の実施を
提言6 積極的な装備品の海外移転に求められる知的基盤の拡充が必要
提言7 「日本版DCP」の設立を
提言8 「インド太平洋ハイブリッド脅威対策センター」を主導すべき
提言9 国際平和協力分野での防衛外交を拡充させる
<提言者一覧(五十音順)>
青井 千由紀 東京大学 教授
伊藤 弘太郎 キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員
鶴岡 路人 慶応義塾大学 准教授
德地 秀士 平和・安全保障研究所 理事長、 元防衛審議官
西田 一平太 笹川平和財団 主任研究員
松村 五郎 元陸将・陸上自衛隊東北方面総監
渡部 恒雄 笹川平和財団 上席研究員
※本書で掲載する各提言の見解は執筆者個人のものであり、所属機関および笹川平和財団の見解を代表するものではありません。