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The Return of History/大国政治の復活とリベラル民主主義の将来

募集は終了しました

ロバート・ケーガン氏
(カーネギー平和財団上席研究員)

2009_05_img01.jpg1989年、冷戦は終わった。民主主義と資本主義は共産主義に勝利し、イデオロギーの戦いとしての「歴史」は終焉したと言われた。ソ連は消滅、アメリカは唯一の超大国として国際社会に屹立し、ついに大国間の攻防も終焉を迎えたと思われた。しかし、果たしてイデオロギーの争いは、そして大国間の闘争は終焉したのだろうか?2010年3月30日、笹川平和財団主催の講演会において、カーネギー国際平和財団上席研究員ロバート・ケーガン氏はこの想定に疑問を呈した。ケーガン氏は、2009年米国大統領選挙において共和党のマケイン候補の外交顧問を務め、また「ネオ・コンサーヴァティブ」(ネオコン)と総称される一群の思想家の代表的人物ともいわれることもある、アメリカを代表する論客である。

ケーガン氏は、大国間の闘争が、そして国内体制をめぐるイデオロギーの争いが終焉したと考えるのは誤りである、と論じる。第一次大戦の直前、ノーマン・エンジェルをはじめとする多くの論客は、経済的相互依存と交通・通信技術の進展によって大国間戦争は経済的に非効率なものとなり、したがって大国間戦争は過去のものとなったと主張した。これが誤りであったことは第一次世界大戦の勃発で明らかであるが、ケーガン氏によれば、冷戦後に展開された、「歴史の終焉」による民主化やグローバル化によって大国間紛争が消滅するとの議論もまた、エンジェル等と同じ誤りを犯している。国家は人によって構成されるものである以上、それは経済的利得のみを追うものではありえないからだ。過去の屈辱、怒り、羨望といった感情もまた、国際政治に置いて無視しえない役割を果たすとケーガン氏は述べる。

2009_05_img02.jpgケーガン氏によれば、その象徴的な事例が、ロシアや中国といった、現在台頭しつつある諸国家である。ロシアは、ソ連崩壊後の民主化によって世界的大国としての地位を失い、屈辱のうちに1990年代を過ごすこととなった。中国は、ヨーロッパ諸国家の進出によって東アジアにおける圧倒的優越を失い、屈辱の100年を耐えた。ケーガン氏によれば、経済発展に伴って、こうした諸国家は、それぞれが当然占めるべきだと信じる、世界的大国の地位を回復することを望んでいるのだ。大国間の競合関係は、いまだ国際政治において決定的な重要性を持っているのである。

さらにケーガン氏は、この大国間の闘争は、イデオロギーの争いとも不可分に結びついていると主張する。ケーガン氏は、中国とロシアは、両国が取る権威主義体制は民主主義よりも優れており、民主主義が自国に導入されることは破滅的な結果をもたらすと考えていると指摘する。ケーガン氏によれば、中露両国では、政府が生活水準の向上を保障する一方で民衆は自由の一定の制限に同意するという一種の取引が成立しており、そしてこの取引に基づく権威主義体制は、より強いロシア、大国中国の出現を望むナショナリズムと密接に結びついているのだ。

これは、国際政治にどのような影響を与えるのか?ケーガン氏によれば、中露両国の台頭は、権威主義体制が拡大する可能性があるということを意味する。権威主義による発展モデルが発展途上諸国にとって魅力的なものと映り、また中露両国が権威主義体制を拡大しようとする可能性があるからだ。中露両国にとって民主化の波は国内体制への脅威であり、したがってアメリカが民主化を推進するのとパラレルに、中露両国は権威主義体制の拡大を目指している。いまや、大国間の競合関係と、民主主義と権威主義のイデオロギー闘争は、不可分なのだというのである。

では、民主主義諸国はいかにこの状況に対応すべきなのか?ケーガン氏は、民主主義諸国は強く団結し、世界各地における民主化の進展を促進することが必要だと主張する。これは、権威主義諸国への経済制裁や、まして武力行使を意味するものではない。かつてジョージ・ケナンが提唱した封じ込め政策と同様に、権威主義諸国が民主化するまで、これ以上権威主義体制が拡散しないように努めつつ、民主主義勢力の政治的・経済的優位を確立することが必要だとケーガン氏は言う。ケーガン氏によれば、これこそ歴史上繰り返されてきた国際政治の本質であり、歴史はいまだ終わらないのである。

質疑応答


2009_05_img03.jpg講演に続いて、活発な質疑応答が行われたが、ここでは特に、二つの質問を取り上げたい。すなわち、オバマ政権の外交姿勢と、「ネオコン」の代表的人物と言われることへの評価である。

これに対してケーガン氏は、まず、オバマ政権は、第二次世界大戦以来はじめて、民主主義の同盟諸国よりも、中国やロシアといった大国を重視する外交へと舵を切った政権だと指摘する。このことはとりわけ、東欧諸国との同盟関係に置いて顕著だとケーガン氏は述べ、オバマ政権が同盟関係の再構築へ乗り出すことへの期待を表明した。

また「ネオコン」(新保守主義)というラベルに関しては、ケーガン氏は、自らの議論は、民主主義の原則を外交政策において重視するという意味で、ケネディ、アチソン、レーガン、セオドア・ルーズベルト、ウィルソン等に連なるもので「新」ではないと述べた。また保守主義とはアメリカの伝統では孤立主義を意味するもので、自らの外交観は自由主義的で進歩的なものだと、ケーガン氏は回答した。

「The Return of History/大国政治の復活とリベラル民主主義の将来」

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