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2021年のスエズ運河封鎖後の北極海航路(NSR)の可能性と課題

幡谷咲子・黄俊揚
笹川平和財団海洋政策研究所 (OPRI) では、OPRIの研究員を中心に海洋に係る国内外のさまざま動きを分析し発信する、海の論考「OPRI Perspectives」を発行しております。

第22号は笹川平和財団海洋政策研究所の幡谷咲子研究員および黄俊揚研究員による論考「2021年のスエズ運河封鎖後の北極海航路(NSR)の可能性と課題」です。
【要旨】
2021年3月23日から4月3日にかけて、大型コンテナ船「エバーギブン(Ever Given)」がスエズ運河を封鎖したという事故以降、欧州とアジアを結ぶ北極海航路に再び注目が集まっている。近年の地域経済連携協定(EPA)による貿易の自由化は海上輸送量を大幅に増加させ、北極海航路の商業的な利用も将来的に増加する可能性が高い。一方で、北極海航路については、インフラ・システムの整備や法規制、環境保全など、検討すべき点が多い。このような観点から、本稿では北極海航路の利用拡大に伴う問題点や影響を分析するために、統計やGTAPモデルを適用し検討を加え、また適用される法や沿岸国であるロシアの政策も提示した。さらに、グリーンボンドなどの金融商品を通じた海事産業主導の環境に優しい海運の研究開発について紹介し、最後に政策提言や今後の展望についても示した。

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