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IPCC海洋・雪氷圏特別報告書を受けた10の提言に関する論考

藤井麻衣
笹川平和財団海洋政策研究所 (OPRI) では、海洋に係る国内外のさまざま動きを分析し発信する、海の論考「OPRI Perspectives」の取組みを始めました。 今後、OPRIの研究員を中心に発信をしてまいります。「肩の力を抜いて読める」海洋政策研究所ブログ「海のジグゾーピース」とあわせてご覧ください。

第3号は海洋政策研究所研究員の藤井麻衣氏による論考「IPCC海洋・雪氷圏特別報告書を受けた10の提言に関する論考」です。
【要旨】
2019年9月気候変動に関する政府間パネル(IPCC)より発表された「海洋・雪氷圏特別報告書(SROCC)」は、IPCCにとって初となる、海洋・雪氷圏(極域・高山)に特化した報告書である。SROCCでは、温室効果ガスの排出によって温暖化が進み、海洋や雪氷圏においても既に変化が現れていること、今後さらに大きな変化が生じると予測されていることなどが示され、海洋・雪氷圏、ひいては地球全体が危機的な状態にあることが明確となった。IPCCは「今選ぶ行動で未来が決まる」と警鐘を鳴らしている。
 このような現状を踏まえると、国内外で将来にわたる持続的発展を確保するためには、海洋に着目したうえで、グローバルな気候変動緩和(GHGの排出削減)を主導し、国全体が海洋環境の変化に適切に対応することが必要である。そこで、笹川平和財団海洋政策研究所は、海洋に関連が深い10項目の政策を強力に推進することを2019年10月に提言した。本論考は、同提言の各項目について背景や具体例を交えて解説を行うとともに、提言が依拠する報告書や論文を紹介するものである。

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