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東アジア海洋問題研究:日本と中国の新たな協調に向けて

東アジア海洋問題研究日本と中国の新たな協調に向けて表紙
海洋政策研究所は、2020年3月26日に『東アジア海洋問題研究:日本と中国の新たな協調に向けて』を刊行致しました。

同書は海洋政策研究所が海洋問題を専門的に研究する中国の代表的なシンクタンクである中国南海研究院と4年間実施してきた「東アジア海洋問題研究」プロジェクトの成果として、東アジアの海洋に関するさまざまな課題について、日中両国の有識者や海洋政策研究所の研究員が海洋政策やブルーエコノミー、沿岸域管理などの観点から考察し、”一衣帯水”の日中両国が東アジア海域、そして世界の海洋ガバナンスにどのように貢献すべきかを明らかにしています。

まさに「海洋分野における日中協力の可能性を探る一冊」となっておりますので、お近くの書店などにてぜひ一度お手に取っていただけますと幸いです。

目次

日本語版にあたってのまえがき

第1章 東アジアの海洋問題への協調的取組みを目指して(寺島紘士)

 1・1 20世紀後半における海洋をめぐる変化と新しい海洋秩序および行動計画の構築
 1・2 新海洋秩序のもとで生じている問題への対応
 1・3 笹川平和財団海洋政策研究所と中国南海研究院の「日中海洋対話」開始
 1・4 「2017日中海洋対話会議」を海口で開催
 1・5 「2018日中海洋対話会議」を東京で開催
 1・6 おわりに

第2章 日中間関係にみる多数国間主義・地域(二国間)主義および一方的措置(兼原敦子)
 2・1 はじめに
 2・2 海洋秩序の形成における日中間協力の進展
 2・3 日中間協力の課題
 2・4 おわりに

第3章 国際海洋政治の発展動向と中国の戦略的選択(胡波)
 3・1 国際海洋政治の三大テーマ
 3・2 国際海洋政治の発展の動向
 3・3 中国に対する重要な示唆

第4章 2008年中日東海問題に関するコンセンサスについての一考察(張新軍)
 4・1 はじめに
 4・2 中日東海問題交渉の前の双方の基本スタンス
 4・3 中日東海問題交渉の過程
 4・4 「2008コンセンサス」の達成とその後の意見の相違
 4・5 「2008コンセンサス」の再評価
 4・6 むすびに代えて

第5章 日本における漁業を中心とした沿岸域管理(中田薫)
 5・1 日本の漁業の特徴と現状
 5・2 日本の漁業の発展と管理制度の歴史(律令時代~現在)
 5・3 沿岸域の総合管理と水産業

第6章 中日海洋牧場建設の比較(馮其明・茹小尚・張立斌・楊紅生)
 6・1 中日海洋牧場発展史
 6・2 日中海洋牧場発展の特徴
 6・3 今後の発展の見通しと協力のチャンネル

第7章 日本の海洋関連政策における生物多様性保全の取組:「里海」の考え方から学べるもの(高翔)
 7・1 はじめに
 7・2 「里海(Satoumi)」について
 7・3 日本の環境省の「里海」の概念に対する整理
 7・4 日本の「里海」創生政策
 7・5 おわりに

第8章 ブルーエコノミー(Blue Economy: BE)概論と類型化(古川恵太・渡邉敦)
 8・1 ブルーエコノミー概念の発生
 8・2 日本におけるICM の展開とBE への発展
 8・3 BE による投資からサービスへの経済影響
 8・4 BE の類型化

第9章 中国海洋経済政策の変遷に関する初歩的研究(林勇新)
 9・1 国内外の海洋政策研究に関する概略
 9・2 中国における海洋経済政策の変遷プロセス
 9・3 新たな時期における中国海洋経済発展構想

第10章 BEを支える技術:水産・環境試料分析とデータサイエンス技術(菊地淳)
 10・1 はじめに
 10・2 遺伝要因と環境要因解析
 10・3 IoTとAI 水産への鍵技術としての「フィードバック制御」
 10・4 環境恒常性の評価手法としてのIoT/AI予測科学とエコインフォマティクス
 10・5 微細藻類への有用資源の蓄積能評価
 10・6 おわりに

第11章 ブルーエコノミーとしての「海業」:日本の経験(婁小波)
 11・1 日本漁業の諸問題
 11・2 漁村地域経済活性化策としての「海業」
 11・3 海業への取り組み:日本の経験
 11・4 ブルーエコノミーとしての海業

第12章 中日海上捜索救助協力の現状と展望(張捷・張?悦)
 12・1 中日海上捜索救助協力の現状
 12・2 中日海上捜索救助協力が現在直面する主な課題
 12・3 今後の協力への提言

第13章 日本におけるSAR の現状と展望:海洋ガバナンスの視点から(小森雄太)
 13・1 はじめに:日本におけるSAR の歴史を振り返る
 13・2 日本におけるSARの実践および展開
 13・3 日本におけるSARの今後
 13・4 おわりに:日中両国によるSAR協力の拡大・深化の可能性

第14章 浮雲が視界を遮ることを恐れるなかれ:中日海洋協力の回顧と展望(呉士存)
 14・1 はじめに
 14・2 中日海洋協力の回顧
 14・3 中日海洋協力が直面する主な試練
 14・4 中日海洋協力の展望:共通認識の蓄積から実践の拡大へ
 14・5 むすび

第15章 今後の日中海洋協力の考える:日本からのアプローチ(角南篤)
 15・1 本プロジェクトの目的:何が課題だったのか
 15・2 海洋ガバナンスへの多元的な貢献:ローカルからリージョナル,グローバルへ
 15・3 本プロジェクトの今後:日中海洋協力の拡大・深化を目指して

日本語版のあとがき
索引

印刷版販売元

発行:2020年3月26日、東海大学出版部
定価:本体3,800円(税抜き)/ISBN978-4-486021-96-4
販売:全国の書店等でお求めいただけます。

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