笹川平和財団海洋政策研究所(東京都港区 所長:角南篤)は、故エリザベス・ヴェロニカ・マン・ボルゲーゼ教授(2002年2月8日没)の著作"The Oceanic Circle: Governing the Seas as a Global Resource"を邦訳した『海洋の環 人類の共同財産「海洋」ガバナンス』を刊行いたします。(2018年2月8日書店発売)
ボルゲーゼ教授(1918年~2002年)は、1972年にNGO「国際海洋研究所(International Ocean Institute:IOI)」を創設。1992年の地球サミット(開催地:リオ・デ・ジャネイロ)の行動計画「アジェンダ21」の海洋の総合的管理(オーシャン・ガバナンス)と持続可能な開発に関する行動計画の起草に深く関わるなど、海洋問題のエキスパートとして世界をリードしてきました。 「海洋」とは人類の共同財産であるとして、将来の世代のために生涯に渡り海洋問題の解決に尽力して来られた功績により「海洋の母」と称えられた方です。
晩年のボルゲーゼ教授は、世界の人々が「海洋」を人類の共同財産として、管理する世界を創るためにはエコロジカルな世界観に基づく取り組みが必要と考えるようになり、それに通じる東洋的な考え方や思想に強く惹かれるようになりました。原著のタイトルもマハトマ・ガンジーの詩の言葉を借りて「The Oceanic Circle(海洋の環)」と名付けられました。
本書は、海洋の総合管理(オーシャン・ガバナンス)に関する世界で最も影響力のある著書のひとつとして知られています。地球環境と人間社会に対する深い洞察に基づいて書かれており、海洋の問題に対して私たちはどのように対処していかなければならないかを考える上で多くの示唆に富んでいます。 このたびは日本で初めての翻訳出版となります。ぜひ海の問題について関心のある多くの方々に本書をお読みいただけますと幸いです。
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