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【開催報告】2019年第2回東アジア気候変動適応と災害管理法・政策に関するフォーラム

【写真1】六カ国からの発表者
気候変動による極端な気象現象は、世界中で多くの災害をもたらしています。東アジアは、豪雨、強烈な台風、洪水などの自然災害が頻発し、地球温暖化の影響に対して地球上で最も脆弱な地域の一つとされています。東アジアにおける大規模災害への対策などを含む現行の気候変動対策戦略を比較検討し、レジリエントな都市と将来の気候変動の悪影響を軽減するための法整備を行うために適切な政策や法律を起草することが重要です。
このような問題意識の下、笹川平和財団海洋政策研究所(OPRI-SPF)は台湾・国立高雄大学において2019年10月17日から18日に、国立高雄大学法学院、国立高雄大学国際関係研究センター(NUK-IRRC)、台湾海洋委員会(OAC)らと「2019年第2回東アジア気候変動適応と災害管理法・政策フォーラム」を共催しました。日本からはOPRI-SPFの研究員3名を含む6名の専門家が参加し、研究成果を発表しました。
まず、莊慶達海洋副大臣が開会挨拶を行い、新設されたOACは、プラスチックやその他の汚染物などの包括的な海洋問題に取り組むことを目指しており、そのためには国際的な協働が必要であることを指摘しました。医師であり台湾立法院のUNSDGs推進委員会の委員長でもある林靜儀国会議員は、持続可能な開発目標(SDGs)を含む多様な開発目標を達成するために、学際的な課題について世界中の省庁や国々の間での対話の重要性を強調しました。
基調講演では、内政大臣、教育大臣を歴任した国立台湾大学の葉俊榮講座教授が「国連気候行動サミット」で怒りをあらわにしたグレタ・トゥンベリ氏を例に挙げながら、「気候変動ガバナンスと民主政治の挑戦」をテーマに、「短期的な民主政治では長期的な気候変動問題を解決することは困難であるため、このような問題が効果的に内部化され、コミュニティ、学校、個人など幅広い利害関係者が関わる多層的な統治が促進されるべきである」と述べました。

【写真2】基調講演を行ってる葉俊榮講座教授

【写真3】マレーシア・ケバンサーン大学法学部副学部長ラシカ・ハリッド教授

【写真4】知見を発表、積極的に意見交換を行った若手研究者 (上段左から: 台湾行政院顧問 陳治維氏、政策研究大学院大学ジェイ・トリスタン・タリエラ氏、下段左から: OPRI-SPF吉岡渚研究員、OPRI-SPF黄俊揚研究員)