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「海洋問題入門--海洋の総合的管理を学ぶ--」刊行案内

2007.11.01

海洋政策研究財団 編  編集代表 來生 新 小池勲夫 寺島紘士
A5判・250ページ 並製 定価 3,360円(本体3,200+税)   発行:丸善株式会社

2007年,日本にも海洋基本法が制定され,ようやく海洋の総合的管理に向け動き始めた.こうした機運の中,海洋問題を総合的に理解し,教育していこうという新たな海洋教育が広がりはじめている.本書は,そのカリキュラムに対応した,海洋に関する自然科学,産業活動,政策や法制度など,海洋の総合的な管理を行うために必要な幅広い基礎知識を一冊に集約したテキストである. "海洋の総合的管理"と"持続可能な開発"に関心をもつすべての学生および実務者必読

目次
1 海洋と人間の生活  
1・1産業革命と漁業と人間生活 世界の漁業の発展とそれにともなう漁業規制の展開/日本における漁業制度の整備と漁業規制/漁業の国際的調整  1・2海運 産業革命による船と海運の技術的変化/国際海上運送の推移/内航海運とカボタージュ  1・3資源開発  1・4海洋環境の悪化  1・5統合的海洋管理へ
2 海洋のしくみ
2・1地球規模における海 海洋と地球の歴史/地球史における海洋の変遷/海洋と大気,表層,深層の流れ/海底の世界/海洋の生物と生態系海洋での物質の循環  2・2沿岸域・汽水域の特徴 物理的特徴 生物的特徴
3 海洋における経済活動
3・1海洋資源と経済活動 水産資源と漁業/鉱物資源とその産業/潜在的資源とその産業  3・2海運輸送・交通 海運/造船  3・3海洋開発・建設・レジャー 海洋開発・建設/レジャー・レジャー関連産業
4 海洋の総合的管理
4・1経済活動の持続可能性の確保 持続可能性と漁業/持続可能性と鉱業/持続可能性と海運活動/持続可能性と海洋土木・建設等  4・2わが国における海洋管理 沿岸域管理の現状と問題点/沿岸域の統合的管理/排他的経済水域および大陸棚の管理/海洋環境の保護・保全・再生  4・3国際的海洋管理の枠組み 海洋の法的枠組み/海洋の安全保障/海洋の政策的枠組み
第5章 今後に向けて
5・1海洋の総合的管理と各国の取組み  5・2 わが国にとっての新しい海洋の法的・政策的枠組みの意義  5・3 日本の海洋政策の今後の課題
本書まえがきより抜粋

21世紀は海洋の時代といわれている.65億人を突破した地球人口は,地球表面の7割を占める海洋の生物・非生物資源,海洋環境および海洋空間に大きく依存することなしには健康で文化的な生活を維持できなくなっている.しかも,他方では,高度に発展した人間社会から排出される産業・生活廃棄物,温暖化ガスなどが海洋汚染や異常気象・海面上昇などを引き起こし,人類の生存基盤を危うくしている.
 このような事態に対処するために,国際社会は,20世紀末に海洋の法秩序・政策の基本的枠組みとして国連海洋法条約を発効させ,アジェンダ21を採択した.その基本的な理念は,海洋の総合的管理と持続可能な開発である.これらの枠組みの下で各国は,自らの沿岸の広大な海域の管理に努めるとともに,互いに協調・協力して海洋全体を管理していくことを求められている.海洋の総合的な管理を行うためには海洋に関する自然科学,産業活動,法的制度や社会構造など幅広い知識が要求される.本書はこのような幅広い基礎知識を1冊の本で身につけることが出来るように企画されている.
本書は文理を問わず海洋の総合的管理と持続可能な開発に関心を持つ学生および実務者を対象としているが,内容は海洋が関係する幅広い分野に関する基礎的な専門教育を受けている学部後期学生,あるいは大学院修士レベルを想定している.しかし,海洋管理のための教育は自然科学・社会科学・人文科学にまたがる学際的かつ総合的なものであるため,海洋の総合的な管理を専門とする学生・実務者だけでなく,本書によって海洋に関連する分野の学生・実務者が海洋の総合的な管理に関しての考え方・アプローチの仕方についてその手がかりを掴むことが出来れば編集者として大きな喜びである.

*本書は、一般書店よりお求め下さいますようお願い申し上げます。

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