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大陸棚の限界拡張に関する図書(英文)の発行

2007.04.12

「200海里を超える大陸棚の限界拡張‐その国際的状況及び科学的・技術的側面‐」
"The Establishment of the Outer Limits of the Continental Shelf beyond 200 Nautical Miles
- Its international circumstances, and its scientific and technical aspects -"

本書は、2006年3月に開催された外務省・国連大学主催の国際シンポジウム「200海里を超える大陸棚の外側の限界の設定に関する科学的及び技術的側面」及び海上保安庁・海洋政策研究財団主催の「大陸棚画定の技術的課題に関する専門家会議」において、世界の第一線で活躍中の研究者や実務家が講演した貴重な内容を取りまとめたものです。

大陸棚問題に関心のある方々にとって大いに参考になるものと確信致します。

第1部 大陸棚限界設定―その基本的な状況―

国連海洋法条約第76条に基づく申請を審査するための大陸棚限界委員会第2期委員長及びその事務局を務める国連事務局海事・海洋法課長から、大陸棚限界拡張申請全般についての紹介。更に、大陸棚に存在する海底鉱物資源についての基礎的な説明。
1.「大陸棚限界委員会:委員会の作業の最新状況」  ピーター F.クロッカー(アイルランド通信・海洋・天然資源省石油課)
2.「国連海事・海洋法課からの状況報告」  ウラジミール・ゴリツィン(国連海事・海洋法課長)
3.「海洋鉱物資源」  臼井朗(高知大学 理学部 教授)

第2部 申請のための準備

第1節 途上国が直面する問題‐各国からの現状報告‐
国連海洋法条約第76条に基づいて大陸棚限界拡張を目指すアジアの各途上国からの現状報告。
4. フィジー  ビリアム・ルトゥ・バレイバヌアララ(鉱物資源部)
5. インドネシア  ハリス・ジョコ・ヌグロホ(水路部)
6. モルディブ  イブラヒム・ヒルミー(沿岸警備隊)
7. ミクロネシア  マシュー・ヤマダ・チギヤル(国立海洋資源管理局)
8. パラオ  ベルニス M.ステファノ(資源・開発省)
9. パプアニューギニア  ジョセフ・クンダ(海上安全局)
10. フィリピン  オーディ A.ベンティレス(地図資源情報庁)
第2節 申請のための第一歩としてのデスクトップ・スタディについて
各沿岸国の申請準備を支援している実務家からの提案。
11. 「国連海洋法条約第76条に基づく申請準備についての問題を抱える沿岸国を支援するためのアイデア」  リンゼー・パーソン(英国サザンプトン国立海洋学センター 海洋法プロジェクトリーダー)
12. 「デスクトップ・スタディの準備‐データの確認と処理及び関連技術の習得‐」  サラ・プロッサー/エレイン・ベーカー(UNEP/GRID-Arendal)
13. 「大陸棚限界画定問題に取り組むための協力」  バスカー・ラオ(SOPAC事務局)
 
第3節 申請を行った国及び申請準備中の国の例
既に申請を行ったオーストラリアの経験談及び米国のデスクトップ・スタディに関する最新情報。
14. 「大陸棚申請へのオーストラリアのアプローチ」  マーク・アルコック(オーストラリア地球科学院 海洋法プロジェクトリーダー)
15. 「国連海洋法条約第76条に基づく米国の大陸棚限界拡張の可能性がある海域についての学問的なデスクトップ・スタディ」  ラリー・メイヤー、マーティン・ジャコブソン、アンドリュー・アームストロング(米国ニューハンプシャー大学 海洋図化センター)
第4節 国際機関による支援策
沿岸国の国連海洋法条約第76条に基づく大陸棚限界拡張申請に関して支援を行っている国際機関の活動紹介と、国連事務局の活動の詳細。
16. 「海洋法諮問委員会(ABLOS)の貢献」  谷伸(ABLOS議長)
17. 「UNEPの大陸棚プログラム」  サラ・プロッサー/エレイン・ベーカー(UNEP/GRID-Arendal)
18. 「国連海事・海洋法課の貢献」  ウラジミール・ゴリツィン(国連海事・海洋法課長)

第3部 大陸棚に関する最新の科学的研究成果

第1節 活動的縁辺部に関する最新の科学的研究成果
国連海洋法条約第76条に基づく申請の根拠としての科学的データを構成する、大陸棚の限界を画定するための縁辺部に関する科学的研究の最新情報。
19. 「活動的縁辺部」  ザビエル・ルピション(コレージュ・ド・フランス 教授)
20. 「アラスカ湾についての新しい見解:トランジショナル・マージンのマッピング」  ラリー・メイヤー、ジェームズ・ガードナー(米国ニューハンプシャー大学 海洋図化センター)
21. 「海洋性島弧における大陸地殻」  小平秀一(海洋研究開発機構(JAMSTEC) 地球内部変動センター グループリーダー)
22. 「収束型縁辺部における延長:過去1億年間にわたるニュージーランドの例」  イアン C.ライト(ニュージーランド国立水・大気研究所 国立沿岸・海洋センター センターリーダー)
23. 「海洋性海台の衝突による島弧の変形と成長:小笠原海域のケース・スタディ」  小原泰彦(海上保安庁 海洋情報部 主任研究官)
第2節 更なる進歩

今後の科学的研究に対する期待と展望

24. 「サブダクション・ファクトリー」  巽 好幸(海洋研究開発機構(JAMSTEC) 地球内部変動研究センター プログラムディレクター)
25. 「海洋におけるホットスポットによる地殻の改変」  ミラード F. コフィン(東京大学海洋研究所 教授)
26. 「『ちきゅう』とIODP(統合国際深海掘削計画)」  平 朝彦(海洋研究開発機構(JAMSTEC) 地球深部探査センター長)
27. 「大陸棚問題に関する展望」  ザビエル・ルピション(コレージュ・ド・フランス 教授)

*講演者の所属・肩書は、講演時(2006年3月)のものです。

以上

お問い合わせ先
海洋政策研究財団 海技研究グループ 井内由美子 (IUCHI(Ms.))

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