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第1回「日本北極海会議」(2010年7月8日)開催報告

2010.04.07
はじめに
気候変動により夏の海氷が激減している北極海では、航路や海底資源開発といった海洋空間利用が史上初めて本格的に始まろうとしています。海洋政策研究財団は、こうした北極海における問題に関して我が国がとるべき政策と戦略に関する提言を行うことを目的として、「日本北極海会議」を立ち上げ、7月8日に第1回会議を開催いたしました。この日本北極海会議は、笹川陽平日本財団会長を特別顧問として招き、各界の北極海に関する12名の有識者から構成しています。第1回会議では、「国際法秩序、ガヴァナンス」をメインテーマといたしまして、西元 宏治 専修大学法学部准教授、谷 伸 内閣官房総合海洋政策本部事務局参事官、そして、林 司宣 早稲田大学名誉教授にご講演いただき、北極海を巡る法的制度や国際的枠組みに係る問題を中心に派生する幅広い話題について議論を行いました。
講演者の西元准教授は、北極海に関連する国連海洋法条約の解釈、IMO関連諸条約、沿岸国の国内法、北極評議会の動向や問題点を述べ、今後の北極海では、中長期的には南極条約のような包括的な枠組みは生まれず、既存の枠組みが存続していくだろうという見通しをされました。ただし、動向把握を含めた分野横断的な情報共有が非沿岸国にとって重要になるという指摘をされました。谷参事官は、大陸棚限界の定義の変遷について詳しく解説し、そして、沿岸各国の思惑について話されました。林名誉教授は、北極海をめぐる協力体制の歴史を紐解き、ガヴァナンスの現行体制と現行体制への挑戦ともとれるイルリサット宣言やEUの対応について述べられました。漁業や環境保全、そして、航行等の具体的な分野に関しては、追加的協定の可能性があるとの見通しを述べられました。
この日本北極海会議では、今後、北極海を巡る海運や航路の問題、資源開発の問題、科学や調査の問題、そして、安全保障問題などをメインテーマとして取り上げていく予定です。
 
開催概要
日時: 平成22年7月8日(木)13:30~16:30
場所: 東京都港区虎ノ門1-15-16 海洋船舶ビル 10階会議室
主催: 海洋政策研究財団
名簿(PDF ダウンロード)
プログラム:
13:30 特別顧問挨拶
笹川陽平 日本財団会長
13:35 主催者挨拶
秋山昌廣 海洋政策研究財団会長
13:45
出席者紹介、委員長選出、 事業の実施計画について
14:00 講演(1) 北極海をめぐる国際法上の諸問題
西元宏治 専修大学法学部准教授

講演(2) 北極海における大陸棚問題
谷伸  内閣官房総合海洋政策本部事務局参事官

講演(3) 北極海をめぐるガヴァナンス問題
林司宣 早稲田大学名誉教授
16:00
 
 
総合討論
16:30
 
閉会
お問い合わせ先
海洋政策研究財団 海技グループ長 池田陽彦
政策研究グループ研究員 小牧加奈絵
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-15-16 海洋船舶ビル
Tel: 03(3502)1949 池田 03(3502)1853 小牧
Fax: 03(3502)2033

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