366 中国メディア関係者招聘
所属 | 笹川日中友好基金 |
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実施者 | 笹川平和財団 |
年数 | 5年継続事業の1年目(1/5) |
事業形態 | 自主事業 |
事業費 | ¥9,500,000 |
事業概要
笹川日中友好基金は、現代日本のありのままの姿を中国の国民に伝えるために、2011年度から5年間にわたり、中国で読者数の多い大衆誌の記者や編集者及びネット世論に影響力を持つ人気ブロガーの招聘事業を実施し、雑誌の特集やWeibo(ミニブログ)を通じた日本情報発信に取り組んできました。
近年、中国では、雑誌やWeibo(ミニブログ)への規制が強まり、多くのブロガーやジャーナリストが新しいコミュニケーションツールとなる中国のSNSであるWechat(微信)で公共アカウントを開設し、自媒体という形で活動の場を移しています。中国の情報化時代の変化に対応し、読者数の多い人気アカウントで活躍するメディア関係者にアプローチし、その発信力で日本情報を発信してもらおうというのが本事業の狙いです。
第1回来日取材
2016年7月6日から13日まで、中国メディア関係者3名を招へいしました。
テーマは『日本の参議院選挙と18歳選挙のはじまり』『新しい日中経済関係~中国による海外投資』でした。

来日メディア3名と事務局との打合せの様子

瀬口氏への取材風景

取材に答えてくれた権守さんと

数多くの質問に答えてくれた牧原先生と

取材に答える中村事務局長の様子
「2016年からの18歳選挙導入により、政治教育が本格化します。すでに小学校高学年から社会の仕組みを教えており、先進的教育では3,4年生、9~10歳から導入して身近な公園の問題などから教えたりします。身近な問題から出発して次第に学年が上がるにしたがって、国際的な問題まで教えるしくみです。」と詳細に取材に答えて頂きました。ほかにも中国での政治教育の可能性、市民教育の現状、党派教育と政治教育の違い、主権者教育と受験の関係、教育格差の有無などについてお聞きしました。

小玉先生への取材風景

銀座4丁目で演説する蓮舫氏

秋葉原駅前の自民党最終演説会の様子

台東区の投票所

南禅寺での抹茶体験が一番心に残ったそうです。
クラーク記念国際高校では実際に授業を担当した2人の先生と3人の高校三年生を取材することとなりました。
取材では「どういう基準で投票するのか?」「尊敬する政治家や著名人は?」「政治教育は中立だったか?」「憲法改正についてどう思うのか?」「子供のころから選挙を見てきて、政治家が変わったことで実際に自分の住む町が変わった実感があるのか?」「中国についてどう思うか?」「アメリカについてどう思うか?」など、次々と質問し、高校生だけじゃなく、先生にも取材をしました。
印象的な回答は、憲法改正に関する質問に3人ともが「今の政府は憲法改正しても国民に対してそれほど悪いようにはしないんじゃないか?」という楽観論を持っていたことです。中国についてのイメージも、反日歴史教育というキーワードをあげながらも、「過去の歴史は忘れてはいけないが、過去の事実と現在生きる日本人は区別してほしい」「悪い印象を子供に植え付けようとしているので、大人から中国認識を改めるべき」といった意見もありました。アメリカへの印象も「強い国だが、昔ほどアメリカが全てとは感じていない」「人種が多くて多様性のある国で、アメリカというまとまりがない」「日本の自衛隊と協力していて日本と仲が良い国」など素朴ながら親米感情が浸透している様子が浮き彫りになりました。
校舎の入口では、参議院選挙の結果についてパネルなどで張り出しており、中国の記者3名も興味深く観察、撮影していました。

クラーク記念国際高校梅田キャンパスの入口にあった選挙関連の記事パネル
7月13日に大阪城を見学した後、3人の中国のメディア関係者はそれぞれ帰国しました。
第2回来日取材
2016年10月24日~31日まで、中国メディア関係者3名を招へいしました。
テーマは『日中経済関係の現状と課題』でした。
中国社会で世論形成に大きな影響力を持つネットメディアにとって、様々な情報が錯綜する日中経済関係の報道は重要なテーマになっていることから、今回は「日中経済関係の現状と課題」をテーマにネットメディア3社による合同訪日取材を企画しました。日本企業の中国ビジネス、日本企業の対中投資の現在、過剰生産調整にともなう鉄鋼業再編や不動産業の見通し、今後の中国経済や日中経済関係を日本側識者や企業関係者はどのように展望しているのか取材し、中国の読者に日中経済関係のいまと今後を伝えようという狙いです。
信 海光 (写真右)『政商内参』ファウンダー
『政商内参』時事評論分野ランキング12位 毎日8本配信
総閲覧数/日16万~48万 ヘッドライン閲覧数4.5万~10万/日
配信記事平均閲覧数/日 2万~6万
中国で最もよく読まれる政治経済分野のメディアアカウントの一つ。2014年に4億ページビューを達成。
劉 玉海 (写真左) 『経済観察報書評』編集主幹
『経済観察報書評』財産分野ランキング238位 毎日1~2本配信
総閲覧数/日3600~2.7万 ヘッドライン閲覧数3600~2.7万
配信記事平均閲覧数/日 1900~2.7万
「経済観察報」系列のメディアアカウント。21世紀経済報道、中国経営報と並び、経済観察報は中国三大経済紙の一つとして数えられる。
李 騰騰 (写真中央) 『共識網』WeChatメディアアカウント運営責任者
『共識網』読み物分野ランキング122位 毎日3本配信
一日平均閲覧数1.6万~10万 ヘッドライン閲覧数3300~7.4万
配信記事平均閲覧数/日 4800~3.4万
共識ネットのメディアアカウント。共識ネットは歴史、現状、国際情勢など様々な事例に関して、主に有識者による言論活動によって共通認識を探る思想的メディアとして活動している。
10/25 経団連青山周中国室長を取材。津上俊哉氏に中国経済に関する取材。浅草で浅草寺、まるごとにっぽん館訪問。水上バスでお台場へ。お台場取材。

経団連青山中国室長との記念写真

津上俊哉氏取材風景
10/26 午前中は記事執筆。株式会社帝国データバンクで対中進出企業数に関する取材。上野見学後、日本のジャーナリストと懇談。

帝国データバンク取材
10/27 東京から京都へ移動。銀閣寺、哲学の道、南禅寺、清水寺、祇園見学。

南禅寺方丈にて
10/28 オムロン京都太陽株式会社で障害者雇用に関する取材、京セラ本社で京セラの中国事業、京セラフィロソフィーに関する取材。夕方からは記事執筆。

オムロン京都太陽株式会社取材

京セラ株式会社取材の様子
10/29 京都から奈良へ移動。東大寺、唐招提寺を見学した後、大阪へ移動。大阪城、難波を見学。

東大寺訪問時に鹿に餌やり
10/30 午前中は記事執筆。JR大阪駅、屋上菜園等見学、姫路へ移動して、姫路城見学。姫路から大阪戻り。
