
●笹川平和財団海洋政策研究所は、英国のプリマス海洋研究所の監修で制作されたクレイアニメーション「もう一つのCO2問題」の日本語吹替版を、神奈川県立海洋科学高校の協力により制作しました。
●「もう一つのCO2問題」日本語吹替版をご覧になるには、こちら からアクセスしてください。
地球規模での二酸化炭素(CO2)の排出増加は、地球温暖化をもたらすだけでなく、海中に吸収されるCO2の増加を通して海洋の酸性化を進行させます。海洋の温暖化と酸性化はともに、国連持続可能な開発会議 (Rio+20) 成果文書や、国連の持続可能な開発目標 (SDGs)などにも取り上げられる喫緊の課題となっています。近年、国際社会でも海洋酸性化問題に対する注目が集まり認知される一方で、この課題についての日本における対応は十分とは言えません。
この状況に対し、「海洋酸性化」について一般社会に広める目的で、笹川平和財団海洋政策研究所は英国のプリマス海洋研究所(Plymouth Marine Laboratory)の監修で制作されたクレイアニメーション「もう一つのCO2問題」の日本語吹替版を、神奈川県立海洋科学高校(横須賀市)の協力により作成しました。プリマス海洋研究所が近隣のRidgeway Schoolの生徒と連携して作成した英語版クレイアニメーションでは、地球温暖化の"Evil Twin(双子の病)"「もう一つのCO2問題」と呼ばれる海洋酸性化の深刻な影響について解説されています。英語版の動画はすでにYouTubeで1万3000回再生され、また1万5000枚以上のDVDが世界中に配布され、これまでに5か国語に翻訳されてきました。さらに国連気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC COP)や国連海洋会議などの気候変動に関するハイレベル会議でも上映されてきました。
日本語吹替版動画の作成は、神奈川県立海洋科学高校の生徒7名を中心に、同校の先生と当研究所の研究員が加わって行われました。この動画を通して、日本国内でも海洋酸性化問題について学ぶきっかけとなることが期待されます。