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日アイスランド「科学外交」で2国間関係のさらなる深化を

北極サークル総会閉幕 首都レイキャビクで

笹川平和財団 岡田美月


2026.10.11
5分
北極サークル総会のセッションで講演する笹川平和財団の榎本浩之上席フェロー(左)=10日、レイキャビク(岡田美月撮影)

北極サークル総会のセッションで講演する笹川平和財団の榎本浩之上席フェロー(左)=10日、レイキャビク(岡田美月撮影)

 国際会議「北極サークル」総会が開かれた北欧アイスランドの首都レイキャビクで10日、笹川平和財団の榎本浩之上席フェローがパネルディスカッションに参加し、科学技術協力を通じた日本とアイスランドの2国間関係について講演しました。榎本氏は国立極地研究所の特任教授を務めており、同研究所はアイスランドに40年以上にわたって観測所を構えています。日アイスランド両国は今年、外交関係樹立70周年の節目を迎えます。
 

日本の「地磁気」研究 アイスランドが協力

 会場には、アイスランド政府関係者や現地の大学の研究者らが参加しました。榎本氏はアイスランドの関係者に対し、日本が1956年に南極大陸に第1次南極地域観測隊を派遣し、その後、昭和基地を開設した経緯について説明しました。
 地球は大きな磁石のような存在で、北極付近がS極、南極付近がN極の性質を持っています。榎本氏はこの性質を念頭に、北極圏に位置するアイスランドから地球全体に生じる磁場「地磁気」の向きに沿って進むと、「反対側の(南極にある)昭和基地に到達します」と解説。「この現象は日本の著名な科学者によって発見されました」と研究成果を紹介しました。
 アイスランドには地磁気観測所が設置されています。榎本氏によれば、アイスランドの研究者が日本にデータを提供し、日本の科学者はそのデータを活用した上で昭和基地からのデータも用いて比較検証することができるようになりました。こうした協力の結果、日本の研究者は南極と北極の間を循環する地磁気の実態をより詳しく調べることができるようになったということです。1970年代には国立極地研究所がアイスランドに観測拠点を設け、日アイスランド両国は現在も共同研究を続けています。

駐日大使、科学者の交流に期待

北極サークル総会のセッションで挨拶するアイスランドのフレイン・パウルソン駐日大使=10日、レイキャビク(岡田美月撮影)

北極サークル総会のセッションで挨拶するアイスランドのフレイン・パウルソン駐日大使=10日、レイキャビク(岡田美月撮影)

 日本は2013年、北極8カ国で構成する「北極評議会」にオブザーバー参加が認められました。日本は、北極評議会へのオブザーバー参加が決まって以降、北極評議会議長国であったアイスランドとの間で北極科学大臣会合を実施しているほか、23年には北極サークル東京フォーラムを初めて開催しました。榎本氏はこうした国際協力を呼び掛ける場でも、アイスランドの科学者や政府と日本側の協力関係がさらに深まっているとして謝意を示しました。
 これに対し、アイスランドのフレイン・パウルソン駐日大使は「科学外交は日アイスランド2国間関係にとって重要な要素です」と応じました。その上で「両国の科学者には今後も協力を継続し、関係をさらに強化していただきたい」と述べ、2国間関係の深化に期待を寄せました。
(笹川平和財団 岡田美月)
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