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敵から友へ-平和はどのように定着するのか/Enemies into Friends: How Peace Breaks Out

募集は終了しました

チャールズ・カプチャン氏
(ジョージタウン大学教授/CFR 上級研究員)

2010_02_img01.jpg戦争はなぜ起こるのか?この問いに答えようとした研究は数多い。しかし、では、なぜ戦争は起こらなくなるのだろうか?多くの兵士が斃れた独仏国境でいま戦争が起こる蓋然性は無視できるほど低く、アメリカ独立戦争と米英戦争を戦った英米両国間で、いま武力衝突が起きることはまずありえない。かつて熾烈な抗争を繰り広げた国々の間でも「平和」は達成されうる。だとすれば、それはどのような条件によって成立するものなのだろうか?かつての敵は、いかにして友となるのか?2010年12月1日、ジョージ・タウン大学の国際政治学者チャールズ・カプチャン教授は、笹川平和財団の講演において、この重要な、しかし難しい問いに正面から取りくんだ。

カプチャン氏は、英米関係の事例から話を説き起こし、平和の実現に関する5つの主張を展開する。第一の洞察は、なによりも、外交を通じて敵対関係は友好関係へと変化しうる、ということだ。ナチス・ドイツなどの例外はあるものの、多くの場合、適切な環境と的確な外交が組み合わされば、敵対国との対話を通じて敵は友となりうる。

2010_02_img02.jpg第二に、カプチャン氏によれば、平和を導く的確な外交にとって最も重要な要素は、戦略的な自制である。自らの戦略的優位を行使することを敢えて自制し、それによって相手国に善意を示すシグナルをおくること、すなわち自らの優位を悪用しないことでリスクをとり、それによって相手への信頼を示すことが、平和の構築にとって重要なのである。

第三に、カプチャン氏は、平和は体制を選ばない、と主張する。国際政治学では、民主主義国家は互いに戦争をしない、ということが統計的に確認されているが、カプチャン氏によれば、これは民主主義国家と権威主義体制との間に、または権威主義体制同士の間に平和が成立しないということを意味するものではない。軍事政権下のブラジルとアルゼンチンは平和への道を歩み、スハルトによる権威主義体制下のインドネシアはASEANの構築に深く関与した。民主化、また民主主義は、平和の前提条件ではない。

第四に、カプチャン氏によれば、経済的相互依存の進展は、平和を促進するわけではない。良好な政治的環境は経済的相互依存の進展を後押しするが、その逆は真ではない。平和の実現にとって肝要なのは、経済的・社会的統合ではなく、適切な外交なのである。

第五に、カプチャン氏は、国内政治要因は、平和の成立の成否にとって決定的であると主張する。かつての敵を友とする、というのは、危険な決断である。敵との融和を主張する指導者は、国内の対抗勢力から裏切り者と指弾され、あるいは臆病者と罵倒されるリスクを負うこととなろう。平和を作ろうとする指導者は、こうした国内の障害を乗り越えなければならない。

2010_02_img03.jpg以上の理論的知見を踏まえて、カプチャン氏は、日中関係に関して、理論に立脚した5つの見通しを示して講演を締めくくる。第一に、日中関係の安定が東アジアの平和に決定的に重要だとカプチャン氏は主張する。イラク及びアフガニスタン戦争の失敗、財政赤字、国内政治情勢からアメリカのコミットメントは徐々に縮小傾向にある。この中で東アジアに平和を構築するためには、二大地域大国である日本と中国の関係が決定的に重要となる。日中関係が敵対的になれば東アジアは力の論理で動く地域となり、逆に日中関係が安定すればより協力的な安全保障秩序が生まれる、というのだ。そこで第二に、カプチャン氏は、日本は中国との和解を進める戦略を、それも早急に練るべきであると提唱する。日中間の力のバランスが徐々に中国に傾いている現状を踏まえれば、なるべく日本の国力が大きく、交渉の梃子が大きいうちに、中国への関与を深めるのが賢明だというのである。また第三に中国の民主化は安定的日中関係構築の必須条件ではなく、逆に第四に、日中経済関係の進展は日中関係の政治的安定を保障しない。この課題達成の最大の障害として、カプチャン氏は最後に、日米両国の不安定な政権基盤への危惧を表明する。日本の政治状況は中国に対して関与を深めることができる状況ではなく、またアメリカでは孤立主義的傾向が高まっている。カプチャン氏によれば、国内的障害の克服こそが、「敵を友とする」外交政策の実現にとって最大の課題なのである。

「敵から友へ-平和はどのように定着するのか/Enemies into Friends: How Peace Breaks Out」

募集は終了しました

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