セミナー 平和構築支援グループ

偏見の向こう側:違いを知り、ともに学び、ともに奏でる

―インドネシア発の宗教間対話・協働の学び「CCRL」と日本の多文化共生をつなぐ―

主催:公益財団法人 笹川平和財団
異なる宗教や文化的背景を持つ人々が、互いの違いを尊重しながら、共通の課題に取り組むには何が必要でしょうか。本シンポジウムでは、インドネシアで実践されているCCRL(Cross-Cultural Religious Literacy/異文化間宗教リテラシー)を紹介し、日本の多文化共生や教育の現場との接点を探ります。

笹川平和財団は、Leimena Instituteと連携し、インドネシアのマルク州で「元紛争地における和解と宗教教育」事業を実施しています。この事業では、中等教育機関の教師が自分とは異なる宗教について学び、その内容を担当科目の授業を通じて生徒に伝える事を目指すCCRLを実施しています。紛争後、イスラム教徒とキリスト教徒のコミュニティに居住地域が分かれてしまった地域で、こうした学びを通じて、両コミュニティ間の相互理解と和解を促し、次世代の偏見や不信を克服することを目指しています。

本シンポジウムでは、日本からは、神戸での定住外国人支援と多文化共生の実践、静岡のムスリム・コミュニティと地域社会との交流を紹介します。インドネシアと日本の状況を同一視したり、CCRLをそのまま日本に導入したりするのではなく、「他者をその人自身の視点から理解すること」や「出会いと協働の機会をつくること」を、日本の文脈でどのように生かせるかを考えます。

また、訪日した研修参加教師4名が、平和をテーマに共同制作した楽曲を紹介・披露します。異なる宗教的背景を持つ人々が、ともに音楽をつくり表現することも、対話と協働を形にし、生徒へ学びを届ける教育実践の一つです。インドネシアと日本、それぞれの経験から学び合い、学校や地域での相互理解と協働の可能性を考える機会とします。

※CCRLでは、自分自身の価値観を理解すること(Personal)、他者をその人自身の視点から理解すること(Comparative)、異なる宗教・信条を持つ人々と協働すること(Collaborative)を重視しています。異なる集団の人々が実際に出会い、対話や共同作業を重ねることで、互いへの理解を深め、偏見を和らげていくという「接触仮説」の考え方も大切にしています。宗教について知識を得るだけでなく、違いを尊重しながら共通の課題に取り組む経験を通じて、相互理解と協働を促すことを目指ししています。

お申込みについて

本セミナーは会場での参加のみとなります。
参加をご希望の方は、11月5日(木)12:00までに本ページよりお申し込みください。
※会場の都合により、定員に達し次第、受付を締め切らせていただきます。

※お申し込みの際は、メールアドレスを正しくご入力ください。
お申し込み後に「仮登録確認メール」が届きますので、メールに記載のURLを24時間以内にクリックし、登録を完了してください。登録が未完了のままのお問い合わせが増えておりますので、ご注意ください。

※仮登録確認メールが届かない場合は、「spfpr@spf.or.jp」からのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられていないかご確認ください。

※ご入力いただいた個人情報は、当財団が主催または後援するセミナー・講演会等のご案内に使用させていただきます。
事務局
笹川平和財団 平和構築支援グループ
Email:peacebuilding@spf.or.jp
Tel:03-5157-5181

※取材に関するお問い合わせは、経営企画部広報課までお願いいたします。
テレビ取材をご希望の際は、事前にご一報ください。
E-mail:spfpr@spf.or.jp
Tel:03-5157-5431

プログラム

16:00-16:05 開会挨拶
萱島 信子(笹川平和財団 常務理事)
16:05-16:15 趣旨説明
藤本 迅(笹川平和財団 平和構築支援グループ長/研究員)
16:15-16:35 基調報告|CCRLとは何か
異なる宗教・文化をつなぐ学びと協働

Matius Ho(Leimena Institute 事務局長)
16:35–16:45 現地での実践報告|マルク州政府での取り組み
サルロタ・シンゲリン マルク州教育局文化局長
16:45-17:00 楽曲紹介・パフォーマンス
音楽で表す和解と共生
マルク州の事業参加者・教師4名
17:00-17:20 日本の多文化共生実践|神戸の定住外国人支援と多文化共生
金 宣吉氏(NPO法人神戸定住外国人支援センター(KFC)代表理事)
17:20-17:40 日本の多文化共生実践|静岡のムスリム・コミュニティと地域社会
アサディ みわ氏(静岡ムスリム協会事務局長)
17:40-17:55 全体対話・質疑応答
18:00 総括・閉会
※プログラムについては予告なく変更することがありますので、予めご了承ください。

講演者

Matius Ho
パネリスト

Matius Ho

Leimena Institute共同創設者兼事務局長

プロフィール

多様な社会における社会的結束の強化を目的とした「異文化間宗教リテラシー(Cross-Cultural Religious Literacy: CCRL)プログラム」の開発を主導してきた。宗教リテラシーおよび社会的結束に関する専門家として、これまで20か国にわたる国際的なフォーラムで講演を行っている。2021年には、『The Routledge Handbook of Religious Literacy, Pluralism, and Global Engagement』 において、インドネシアに関する章を執筆した。
これまでに、アクセンチュア(Accenture) のインドネシアおよびシンガポール拠点において、テクノロジーおよび経営コンサルタントとして勤務した経験を有する。米国の ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin–Madison) にて学士号および修士号を取得している。
また、1930年に設立されたインド・ハイデラバードの ヘンリー・マーティン研究所(The Henry Martyn Institute: International Centre for Research, Interfaith Relations and Reconciliation) より、平和で調和のある社会の構築への貢献が認められ、名誉神学博士号(Doctor of Divinity)が授与されている。

サルロタ・シンゲリン
パネリスト

サルロタ・シンゲリン

マルク州教育局文化局長

プロフィール

マルク州出身。2026年よりマルク州教育局文化局長を務める。パティムラ大学教育学部で物理教育を学んだ後、サティヤ・ワチャナ・キリスト教大学大学院修士課程(教育マネジメント)、スマラン国立大学大学院博士課程(教育マネジメント)を修了。教育行政および教員養成を専門とし、パティムラ大学で教育・研究活動に従事する傍ら、学校管理職研修や教育制度改革、人材育成に携わってきた。国立高等教育認証機関(BAN-PT)評価委員やマルク・プロテスタント教会教育委員などを歴任。近年は宗教的多様性を尊重する教育の推進にも取り組み、笹川平和財団がLeimena Instituteとマルクで実施しているCCRL(Cross-Cultural Religious Literacy/異文化間宗教リテラシー)関連事業でも協働している。

アサディ みわ
パネリスト

アサディ みわ

静岡ムスリム協会 事務局長

プロフィール

ポートランド州立大学大学院で公共行政学修士を取得。米国留学中にイスラム教と出会い、自らの意思で入信。帰国後、2010年に夫のヤスィン氏らと静岡ムスリム協会の発足に当初から携わる。2013年、イスラム関連事業の活動を広げるためi.SOLUTIONSを設立し、代表に就任。静岡県ふじのくに観光振興アドバイザー(ムスリム分野)を務めるほか、ハラール対応や観光・飲食分野のおもてなしに関する助言にも携わってきた。現在は静岡ムスリム協会事務局長として、イスラム理解の促進や、ムスリムと地域をつなぐ多文化共生の活動に取り組んでいる。静岡市在住。

金 宣吉
パネリスト

金 宣吉

特定非営利活動法人 神戸定住外国人支援センター(KFC)代表理事

プロフィール

神戸市長田区生まれ。大学で土木工学を専攻し、在学中から在日コリアンの人権・教育問題に取り組む。大学卒業後、一般企業に勤務する一方、東京勤務時代に川崎市の在日コリアンが多く暮らす地域でボランティア活動を始める。1990年頃から社会福祉法人「青丘社」の職員として、在日コリアンの権利獲得に関する自治体交渉などに携わった。1995年の阪神・淡路大震災を機に神戸へ戻り、外国人・移民の支援活動を開始。1997年に神戸定住外国人支援センター(KFC)を設立。高齢者向けの食事会をはじめ、日本語学習、子どもの支援、多言語に対応する介護事業など、定住外国人の幅広い世代を支える活動を展開している。2015年、KFCは国際交流基金地球市民賞を受賞。

萱島 信子
開会挨拶

萱島 信子

笹川平和財団 常務理事

プロフィール

京都大学文学部を卒業後、独立行政法人国際協力機構(JICA)で主に教育開発事業に従事し、バングラデシュ事務所長、人間開発部長、JICA研究所長、理事等を歴任。その間に、ユネスコ国際教育計画研究所、パリ第5大学DEA課程で学んだ後、名古屋大学国際開発研究科で博士号を取得。日本の教育協力事業の立案や実施に主導的な役割を果たしながら、同時に教育開発や高等教育国際化の研究にも取り組み、多くの学術書や論文を出版してきた。2025年より笹川平和財団常務理事に就任し、アジアとの戦略対話・交流促進・平和構築支援や日中交流事業などを担当する。
(独)JICA緒方貞子平和開発研究所シニアリサーチアドバイザー、(財)本田財団理事、(財)日本国際教育支援協会理事、(財)ケア・インターナショナル ジャパン理事、(財)放送番組国際交流センター評議員他兼任。

藤本迅
モデレーター

藤本迅

笹川平和財団アジアユニット平和構築支援グループ研究員

プロフィール

現代インドネシア地域研究を専門とし、インドネシアにおける宗教と社会問題、とりわけ宗教間対話、宗教的過激主義、パブリックディプロマシー、慣習法(アダット)等を研究している。明治大学政治経済学部卒業後、ガジャマダ大学大学院宗教・異文化研究センター(Center for Religious and Cross-Cultural Studies)修士課程を修了。インドネシアの邦字紙「じゃかるた新聞」記者、国際交流基金ジャカルタ日本文化センター、国際協力NGO、日本国際協力センター(JICE)等での勤務を経て、2024年より現職。現在は「元紛争地における和解と宗教教育」事業や、インドネシア・パプア地域におけるコミュニティ調停に関する事業を担当している。

開催一覧

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