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一般事業 多元的価値観の共存に向けて~文明の諸問題に対する総合的理解の試み

2003年
事業

イスラムとIT革命:イスラム圏からの発信

事業実施者 早稲田大学エジプト学研究所(日本) 年数 3/3
形態 自主助成委託その他 事業費 4,919,410円
事業内容
本事業は、IT革命というユニークな側面から、イスラム世界の潜在能力と価値観を世界に発信し、文明間対話を促進することを目的としています。3年間にわたって、近年のIT革命がイスラム社会にどのようなインパクトを与えたかという切り口でイスラム社会を分析し、日本に紹介するために、毎年1回国際シンポジウムを開催してきました。
世界人口の5分の1にも達する巨大なコミュニティであるイスラム世界について、事業初年度は中近東・アラブ圏、2年度は欧米諸国、最終年度はアジア地域に分け、それぞれの地域においてIT革命がイスラムの社会・経済・文化などの側面にいかなる影響を与えたかについて議論しました。
一般に、イスラム世界はIT分野で遅れているとみなされていますが、イスラムの特質は決してIT受け入れの阻害要因とはいえません。このような問題意識の下、本年度のシンポジウムは、2003年11月1、2日、海外からソハイミ・モハド・サレー氏(マレーシア大蔵省マルチメディア・スーパーコリドー担当官)、アティッラ・ビル氏(トルコ・イスタンブール工科大学教授)、国内からは伊東俊太郎氏(国際比較文明学会名誉会長)、保坂修司氏(早稲田大学イスラム科学研究所客員助教授)、須藤隆也氏(日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター所長)ら15人を招いて開催しました。
このシンポジウムでは、IT革命がイスラムの社会・経済・文化などの側面にどんな影響を与えたのか、イスラム世界の潜在力と価値観に関して非イスラム圏にどんな情報発信ができるか、活発な討議が行われました。討議では、イスラム史における情報伝達の効率性とイスラム文明発展との関連、さらには一般に西洋起源と信じられている科学技術、数学などの分野における諸概念の発達をイスラムの歴史と重ね合わせ、イスラム社会における科学と技術の歴史的意義について指摘がなされました。
シンポジウムの模様はビデオに記録され、大学の講義や講演会などの機会に利用されています。また、シンポジウムで発表された講演をまとめた収録集も作成され、在外公館や大学、研究機関など関係各所に配付されました。過去3年の講演の内容は、ウェブサイト(http://ss.acoust.rise.waseda.ac.jp/)で公開されています。
今後も、ITという視点からイスラム理解を深める本事業の成果を公開することで、さらなる普及を図っていく予定です。

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