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一般事業 多元的価値観の共存に向けて~文明の諸問題に対する総合的理解の試み

2006年
事業

生命科学における市場化と公共性のデータベース作成

事業実施者 上智大学(日本) 年数 3/3
形態 自主助成委託その他 事業費 12,142,242円
事業内容
研究領域に合理的な市場メカニズムが浸透するとともに、特に医療行為や生命科学研究において利益相反への対応などの倫理的課題が国際的に増えています。しかし研究者自身、適切な判断を見極めることが難しい場合が多く、一般社会においても、その背景や課題を十分に把握することが困難な現状です。本事業は、3年継続事業として、生命科学研究・医療行為における市場化・公共性に関する課題や事例について、分野横断的にさまざま情報を収集し、研究者に限らず、広く一般社会にも役立てられるデータベースを作成することを目的としました。
上智大学の上山隆大教授と大阪大学の山中浩司助教授を中心に進められた本事業では、データベース概要の設計、情報検索ソフトの開発の後、国内外の論文・雑誌記事・書籍情報、ウェブサイト、公的機関のガイドラインなどの情報の人力を行い、3年間で約6,200件の情報が収録されました。このデータベース(http://mtslab.cc.sophia.ac.jp/)は、「医学研究における産学連携」「医療・生物医学における特許」「医学と利益相反」「医療における市場化」の4つのテ-マで、新聞・雑誌・学術論文・書籍情報を横断検索できるほか、生命科学関係組織や情報源ウェブサイト約500件にもアクセスできます。 また、文献検索中心の既存のデータベースとは異なり、このデータベースでは、生命科学と市場化の問題に造詣の深いカリフォルニア大学のマーティン・ケニー教授、デューク大学のティモシー・ルノアー教授などのインタビュー映像7本が字幕付きで視聴できます。ビデオ映像は、今後さらに増やす予定です。
最終年度である本年度は、データベースの紹介を兼ね、2007年1月13日にシンポジウム「生命科学における特許問題を考える」を上智大学で開催し、学界・産業界などから約140人の聴衆が集まりました。データベースの紹介のほか、政策研究大学院大学の隅蔵康一助教授、京都大学人文科学研究所の加藤和人助教授、一色国際特許業務法人の沢井昭司氏らによるパネルディスカッションが行われ、生命科学研究の成果に対する特許保護の課題や、研究機関としての大学の公共性について活発な議論が行われました。 今後は、教育の場で活用するなど、本データベースが、生命科学と市場化・公共性をめぐる情報の共有や議論の深化に役立てられることが期待されます。

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