Proposal / Research

提言・研究成果

日米シーパワーダイアローグによる提言「海洋の安定と繁栄のための日米同盟シーパワー」

序文
海洋には、人類の発展と繁栄をもたらす可能性が秘められていると同時に、安全保障面、開発と環境面などで、多くの問題が生じている。二大海洋国家である日本とアメリカは、海上自衛隊とアメリカ海軍がこれまでに築いてきた海上における安全保障協力の基盤を踏まえ、それに新たな概念を組み込んだ「同盟シーパワー」を確立し、これを公共財として世界に提供し、海洋を通じて世界の平和と繁栄に貢献すべきではないか。
このような考えを持って、海洋政策研究財団はアメリカのPacificForumCSIS、CenterforaNewAmericanSecurity(CNAS)、およびAmericanEnterpriseInstitute(AEI)と共に、2008年3月、同年7月、2009年4月の3回にわたり、両国の有識者から成る「日米シーパワーダイアローグ」を主催した。ダイアローグを通じて、日米同盟が直面する課題や、海洋問題への取組みの在り方が議論され、建設的な意見が交わされた。海洋政策研究財団は、それら成果を取りまとめ、提言案として第3回日米シーパワーダイアローグにおいて提示した。第3回日米シーパワーダイアローグの参加メンバーは、ダイアローグの成果を広く良く反映しているとして、提言として策定する意義があることに同意した。
ここに、海洋政策研究財団は、日米シーパワーダイアローグの参加者の賛同のもと、提言「海洋の安定と繁栄のための日米同盟シーパワー」を発表する。

1. 時代を拓く日米同盟シーパワー

海洋には、資源・エネルギー不足や気候変動など人類社会が直面する課題を解消し、将来にわたる発展と繁栄をもたらす可能性が秘められている。
開発への期待
われわれの住む星、地球は、その71%を海によって覆われている。シーレーンは、過去と同じように将来においても人類社会に繁栄を運ぶ。また、海底には原油・天然ガス、マンガン団塊、メタンハイドレード等の未開発資源の埋蔵が確認されており、その探査と採掘のための新たな技術が開発されつつある。氷海部が減少する傾向にある北極海は、北西航路と北部航路の航行可能な期間が増え、航路として利用することにより欧州とアジアおよびアメリカ大陸との航程を大幅に短縮することができる。また、溶氷によって北極海海底に埋蔵される原油等の資源の開発も可能となる。
海洋は人類の“Critical Infrastructure”
しかし海洋の現状をみれば、海賊や海上テロ等がシーレーンを脅かし、海域の管轄権や海洋資源取得権を巡る新たな国家間対立が顕在化し、台頭する国々による不透明で急速な海軍力増強などもあって安全保障環境はきわめて不安定化している。将来、世界的な規模で資源・エネルギーが不足する事態が生じ、それが海洋の権益と自由を巡っての国家間の武力紛争を引き起こす可能性も否定はできない。
一方、乱開発や汚染によって海洋の生態系と環境の破壊が進み、それらが気候変動を助長している。地球温暖化は海面上昇の問題を生起させ、島嶼国家や低海抜地域の生存を脅かしている。加えて、気候変動が新たな安全保障上の問題を生起させることが危惧される。
その様な状況にあって、発展途上あるいは後開発途上の沿岸国の中には、自国の管轄水域を管理する資金と執行力に欠ける国が多々あって、そこが違法・無規制・無通報漁業、海賊、そして海上テロの温床となり、一方で海洋の生物・無生物資源と環境の保護を損ねている。また、海底資源を採掘するための技術開発が進む中で、環境に与える影響の評価は遅れている。
海洋は、人類に多くの恵みをもたらす“CommonHeritage”ではあるが、今日、人類が協力して護らなければならない“CriticalInfrastructure”でもある。
アメリカと日本にとっての海
世界の二大経済大国である日本とアメリカは、ともに国内総生産のおよそ3割を海上通商に依存する主要海洋国家である。また、両国は世界の二大石油輸入国でもある。両国の経済活動にとって海はまさに「生命線」であり、その重要性は今後ますます増大していくだろう。加えて、海底資源の開発は、将来、両国共に必須のものとなるであろう。
また、広大な海洋に面する両国の安全保障にとって、海は死活的な重要性を持つ。海は攻撃に対する第一防衛線を提供する一方、本土から離れて迅速かつ柔軟な危機対処を行うことも可能とする。日米同盟は、一義的には相互安全保障にその意義を有しており、海洋利用を共通の国益とすることにおいて、本質的には海洋防衛同盟である。このことは、将来においても変わることはない。
海洋に必要なリーダーシップ
海洋における安全保障環境を安定化させ、技術を興し、産業を活性化し、持続可能な開発を図り、国際秩序を確立するためには、海洋国家によるリーダーシップが不可欠である。日本とアメリカは、同盟体制を強化してシーパワーを再構築し、それを国際協力の共通の基盤とし、海洋の開発と安全保障に関わる諸問題の解決に取り組むべきである。
シーパワーの概念変化
19世紀末、アルフレッド・T・マハン提督は、国家の盛衰が海の支配と密接に関係してきた歴史を紐解き、人類の「偉大な共有物(thegreatcommon)」「偉大な公道(thegreathighway)」である海洋を利用した交易によって繁栄するための、海運、航海、船員、海軍等の国家の力をシーパワーと呼称し、アメリカはそのような力を構築すべきであると提唱した。その概念の発展は、その後の世界史の流れに多大な影響を与えてきた。マハンの唱えたシーパワーの概念は、グローバル化経済の今日においてもなおその妥当性を失っていない。
さて、今日、あらゆる国が様々な権益を求めて海洋へのアクセスを強めている。人類の偉大な公道は、グローバル経済を支える海上交通路として、そして生物・非生物資源の供給源としての偉大な共有物でもある。『海洋法に関する国際連合条約』(以降、国連海洋法条約と表記)により、沿岸国に資源開発・環境保護のための主権的権利・管轄権が与えられ、海洋管理に関する様々なレジームが構築されつつある。そのような情況において、我々は、海洋に係る調査・科学技術力、資源開発力、環境保護のための管理能力、といった力もまた、シーパワーの重要な要素に加えるべきであろう。シーパワーの概念は、今日、その意義を新しく、且つ広義なものとして捉えなければならない。
日米同盟が普及するシーパワーの新しい概念
ここに、日本とアメリカの同盟によって構築することを提言するシーパワーは、そのような新しい広義の概念である。新たな同盟シーパワー構築のプロセスは、今揺らぎの時期を迎えている日米同盟にとっての新たな挑戦となる。海洋を巡る状況の大きな変化を踏まえ、日本とアメリカは新しいシーパワーを確立し、広く世界に普及させていく必要がある。それは、太平洋・インド洋を平和と安定で繋げる試みともなる。

2. 海洋における日米同盟の展開-提言-

航行の自由を確保し、シーレーンの安全保障環境を安定化させると共に、海洋権益を巡る武力紛争を予防しつつ持続可能な海洋開発を促進する、開かれた「新しいシーパワー」を、日本とアメリカが協力して構築し得るよう、両国政府に対し以下を提言する。
海洋は一つの総体であって、問題解決には総合的な対応が求められる。そこにおいて、軍事・安全保障、資源・環境保護、科学技術の促進といった面で海洋国家が連帯して協力することが、これまでにも増して重要である。かかる分野での日米間の協働の意思が求められる。
a. 海洋における防衛と安全保障のために
a-1. インド洋・太平洋におけるグローバル・マリタイム・パートナーシップの推進
  • 日本は、アメリカが推進している、災害救援および海上テロ・海賊・大量破壊兵器移転阻止のため各国の様々なシーパワーを活用するグローバル・マリタイム・パートナーシップ(GlobalMaritimePartnership、以降、GMPと標記)を支持し、アメリカとともに、このGMPの活動をインド洋・太平洋において強化すべきである。
  • 日本とアメリカは、海洋圏識別能力(MaritimeDomainAwareness:以降MDAと標記)を国際公共財として構築するために努力すべきである。また、MDAが国家や非国家主体によって航行の自由を妨げるものとして誤用されることの無いよう協力すべきである。
  • 「北太平洋海上保安フォーラム長官級会議」や東南アジアを対象とした同種会議など、日本のイニシアティブによって進められてきた各国コーストガード間の国際協力活動を評価する。また、「西太平洋海軍シンポジウム」は海洋の安全保障環境の安定化に向けた信頼醸成と透明性の促進、相互理解に大きく貢献している。かかる国際活動の地域的拡大、重層的レジームの構築を、日本とアメリカは協力して推進すべきである。
  • 日本は、マラッカ・シンガポール海峡およびその周辺において実施している航行安全のための支援活動を、インドとの連携の下、インド洋に向けて延伸すべきである。日本はまた、アフリカ東沿岸地域で支援活動を実行しているアメリカと、可能な形で協力を進めるべきである。ソマリア沖における海賊対処への国際的取組みへの日本の参加は、日米の協力を基礎に、EU、ロシア、中国等とも直接的・間接的に協力できる機会を得ることとなり、国際公共財としてのシーレーンの安全確保のための多国間体制を構築する好機である
  • 海洋安全保障問題への国際的な取り組みに国際海事機関(IMO)が果たしてきた役割を評価する。海賊問題に関しては、「アジア海賊対策地域協力協定」(RegionalCooperationAgreementonCombatingPiracyandArmedRobberyagainstShipsinAsia:ReCAAP)が情報分析・共有やキャパシティービルディングを通じて地域協力の枠組みとなっていることを歓迎し、東アフリカ沖及び西アフリカ沖海賊問題に対する国際協力にも貴重なモデルを提供していることを評価する。日米両政府は、インドネシアとマレーシアがReCAAPに早期に加盟することを強く望むと共に、この「ReCAAPモデル」を他の地域及び他の海洋安全保障問題への対策に採用すべきである。
  • 日本とアメリカは、発展途上国に対し、沿岸域開発や国際海峡における航行安全と治安そして環境保護のための支援、海上保安担当者の教育訓練、海洋安全保障関係情報シェアリングといった外交的措置を拡充すべきである。
  • アメリカは日本とともに、マラッカ・シンガポール海峡における航行の安全及び環境保全のために創設された「協力メカニズム」を推進するとともに、今後とも海運企業等民間部門のシーパワーの協力を引き出し活用する方策を推進すべきである。
  • 海洋安全保障確保の観点から、開発途上国への援助を効果的にするため、及び日米技術開発協力を促進するため、日本は武器輸出三原則を緩和すべきである。
a-2. 危惧される武力紛争事態への共同対応態勢の確立
  • 日本とアメリカは、近い将来において発生が危惧される資源・エネルギー争奪あるいは国家管轄水域の境界画定等を巡る国家間紛争の事態を念頭に、海洋安全保障の見地から、緊張を緩和し、武力紛争を未然に防止するとともに発生に際して共同で対処する態勢を、日米安全保障条約に従い整えておく必要がある。
  • また、覇権を求める国が海洋に進出し、パワーバランスを崩して安全保障環境を不安定化させる事態に備え、日本とアメリカは、同盟としての強固な海上防衛力を維持・展開すると共に、諸国と協力して、常続的な情報・監視・偵察(Intelligence・Surveillance・Reconnaissance:ISR)態勢を整えるべきである。
  • 抑止、前方展開、シーコントロール、パワープロジェクション、シーレーン防衛等を含む海上戦略を遂行する上における、海上自衛隊・海上保安庁・アメリカ海軍・アメリカ海兵隊・アメリカ沿岸警備隊の役割、任務、機能、基地整備について検討すべきである。日本に対し、在沖縄米軍基地の再編計画に係る諸問題を可及的速やかに解決し実行に移すことが求められる。また、日本は、米第五空母航空団の岩国への移転と、日本本土近辺における恒久的な離発着訓練施設の確保を早期に実現すべきである。
  • シーレーンに係る重要海洋インフラの防護(CriticalMaritimeInfrastructureProtection)やミサイル防衛(MD)の洋上対処においては、国際共有財である海洋、宇宙空間、そしてサイバー空間を利用したC4Iシステムが不可欠である。海洋安全保障、宇宙安全保障、そしてサイバー安全保障は、すべての国が自由に使用し得る海洋・宇宙・サイバー空間を一体として捉え、相互に関連づけて整備する必要がある。この分野における日米の相互運用性が考慮されなければならない。広域に亘るシーレーンの安全保障については、地球規模の有志連合による共同連携が不可欠であり、日米同盟によるイニシアティブが重要である。
  • さらにまた、気候変動が安全保障環境を悪化させ、武力紛争に至る事態も想定すべきであろう。日本とアメリカは、他の国々や国際機関と連携するなどして、海面上昇に伴う難民発生、漁業資源枯渇に伴う紛争、大規模災害の発生、疫病の蔓延、海岸線の大幅後退など様々な事態の発生の可能性とこれへの対応について、事前によく研究すべきである。
  • 日本は、以上の行動を責任を持って実施するため、集団的自衛権行使を可能とし、国連の平和維持活動(PKO)およびその他の国際平和活動により能動的に参画できるよう、早急に関連する憲法解釈の問題を解決すべきである。
a-3. 海洋国家連合の構想
  • 海洋安全保障を国際協調により確保するため、日米同盟シーパワーは閉鎖的なものとせずその拡張を考えるべきであり、同盟シーパワーに賛同する国家と共に、緩やかな海洋国家連合を構築することを提唱する。この観点から、西太平洋においては、まず韓国やオーストラリアとの協力体制を構築すべきである。
  • インド洋においては、多国間による対テロ作戦、国際的な海賊対策等に積極的に対応し、日本とアメリカは、インド洋からアジア太平洋に伸びるシーレーンの安全確保に努力すべきである。この観点から、インドとの協力態勢を追求すべきである。
  • 穏やかな海洋国家連合への参加国には、国連憲章と国連海洋法条約に示される海洋の自由を含む国際ルールの遵守と国際協調が条件として求められる。航行自由に利益を有するロシア、そして地球規模の海上通商を国益とすることになる中国に対しても、排除するのではなく、むしろ参加するよう働き掛けるべきである。
b. 海洋の持続可能な開発のために
b-1. 資源の開発と海洋の技術開発および調査研究
  • 日本とアメリカは、世界的規模で資源やエネルギー、そして食料が不足する事態に備え、海底と大陸棚に賦存している非生物資源、海の生物資源、海水資源の開発、海洋エネルギーの利用に先駆的役割を果たすべきである。海洋空間における環境保全に配慮した開発・利用活動の推進と雇用の増大に取り組み、これらを「ブルー・ニューディール」政策として展開し、発生しつつある世界的経済不況からの脱却を図るべきである。
  • 日本とアメリカは、海底資源の探査と採掘あるいは海洋エネルギーの利用などの産業化のため、可能な分野でその技術開発と資金準備について互いに協力する必要がある。
  • 効果的な技術開発推進のためには、海洋に関する調査研究、データの蓄積、相互利用、データの共有、さらには人的交流が重要である。そのためにも、両国で、海洋資源研究開発分野のデータ交換促進センターや研究開発支援センターを設立し、海洋調査船や探査開発プラットフォームの共同建造・共同利用等の方向について検討することが望ましい。また、こうした研究調査開発を支える海洋産業界においても、両国の技術を伝達・宣伝できる交流の機会を設け、活性化を図るべきである。
  • 海洋技術開発に関しては、開発途上国に対する技術移転が適正な形で配慮されなければならない。日本とアメリカは、この分野で指導的な役割を果たすべきである。
  • 天然資源の開発利用に関する日米会議「海洋資源・工学調整委員会」のこれまでの活動を評価するとともに、さらなる活性化とこの分野での両国間の情報交換のレベルアップのための体制整備を考えるべきである。
b-2. 海洋環境の保全と気候変動への対応
  • 日本とアメリカは、海洋における現在の大きな課題である環境保全および生物多様性の維持に努力をするとともに、国際的取組みにリーダーシップを発揮すべきである。日米コモン・アジェンダの現在までの成果を評価し、今後の着実な展開を期待する。
  • 日本とアメリカのイニシャティブの下で進められた統合国際深海掘削計画(IODP計画)、水温塩分計フロートの地球規模の配備による高度海洋監視システム(Argo計画)および国際珊瑚イニシャティブ(ICRI)の活動を高く評価する。海洋の環境保全および海洋利用のためかかる海洋科学研究の進展は重要である。10年前に発足した日米共同研究センターの活動も期待する。
  • 海底資源採鉱などの海洋資源開発においては、環境影響評価、環境保全マニュアル作成、保全技術と手法の開発は困難かつ重要な課題であり、この分野における両国の協力および効果的な対応が必要である。
  • 日本とアメリカのイニシャティブの下、海洋からのグリーン革命、エネルギー革命、CO2吸収ないし隔離技術、船舶のCO2排出削減など、地球温暖化への対応技術開発が推進されるべきである。
c. 国連海洋法条約及び関連諸条約による国際秩序の確立
  • 1994年に発効した国連海洋法条約は、締約国も2008年末で157カ国に達し、現在海洋に関する国際秩序の基本的な法的規範になっている。世界最大の海洋国家たるアメリカはこれまで国際海洋秩序の生成と発展に多大の貢献をしてきたが、未だ本条約に加入していない。これはアメリカ政府の立場と海洋に係わるアメリカのリーダーシップを弱めるのみならず、諸国からの信頼を低下し、また自国の経済と安全保障を損なうものとなる。この点で、アメリカが現在この条約に加入する動きを示していることを歓迎し、日本とアメリカは協力して、国連海洋法条約及び同条約採択後の関連諸条約に基づく国際秩序の確立に努めるべきである。
  • 航行と上空飛行の自由が国際海域における基本原則であることを認識し、日本とアメリカは、深海底資源開発に係わる問題、排他的経済水域内における利用国の国家行動と沿岸国の利益との調整、沿岸国による過剰な主張の抑制、排他的経済水域や大陸棚の境界画定、持続可能な開発の実行、生物多様性保護などに係わる国際秩序の確立に努力すべきである。
  • 海賊・テロ問題への有効な対応を促進するため、日本とアメリカは「海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条約」(SUA条約)2005年議定書を早期に批准し、あわせて、アジア太平洋諸国に対してSUA条約そのものの批准を慫慂すべきである。
  • 北極海には、国連海洋法条約が対象とする、資源開発、海洋の利用、航行、境界画定、海洋安全保障、環境保全、気候変動等多くの課題が、相互に関連し集積している。日本は、欧州とアジアを結ぶ航路として、アメリカは、経済的および軍事的観点から、共に自由な北極海に関心を有している。沿岸国であるアメリカと利用国である日本は、情報交換と意見交換を通して、同盟関係をもとに北極海を巡る諸問題に協力して臨むことが可能である。

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