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事業紹介

北三陸ファクトリー(株)

事例調査: UMITO Partners

事業内容

  • 農林水産加工物の製造加工・販売
  • 6次化拠点開発の企画運営
  • 水産業に関する技術開発
ミッション
北三陸から、世界の海を豊かにする。
ビジョン
北三陸の自然と人が産み出す最高の食材で、最高の製品を創り、世界中の食を愛する人たちから、私たちの製品が熱狂的に支持されている未来を目指します。
バリュー
  • 人の記憶と人生に残るウニを届ける
  • 「美味しい」「安心」「安全」&ストーリーがあるワクワクする製品を届ける  
  •  北三陸ファクトリーに確固たる自信を持ち、地域の力を底上げする
  •  全ての仕事において、世界の海を本気で豊かにする

概要

(株)北三陸ファクトリーは岩手県洋野町を本社とし、オーストラリア (メルボルン、タスマニア) にも拠点を持つうにの生産・加工・販売を中心とした水産会社。本社の洋野町に持つ世界唯一であるうにの増殖溝設備「うに牧場」で育てた「洋野うに牧場の4年うに」、及び磯焼け地域から回収したうにを陸上養殖した「はぐくむうに」の生産販売を2つの事業の主軸とする。
 また、うにの生産販売以外にも、藻場再生に取り組む日本の各リーディングプレイヤーを集めた「JAPAN UNI SUMMIT」の開催など、海の課題解決に取り組むエコシステム構築にも力を入れている。2024年には農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業 (SBIR) に採択され約9.2億円を調達、ウニの短期実入改善システム「UNI-VERSE systems」の実証を進めている。

ウェブサイト:https://kitasanrikufactory.co.jp/

ビジネスモデル

適応するOIN評価 (2023年版)

OIN評価ハイライト

A. 持続的に管理されている海洋資源
磯焼け海域で過剰に増殖したウニを除去することで、海藻への食圧が軽減され、藻場の再生・保全に貢献していると推測される。この取り組みにより、海藻の成長環境が改善され、生態系バランスの回復や沿岸環境の健全化が期待されている。
 
B. きれいな海
磯焼けが進行する海域において、海藻への過剰な食圧をもたらしているウニの一部を除去することで、藻場の再生と保全に貢献していると推測される。藻場が回復すれば、海藻が海水中の窒素化合物やリン化合物を吸収・固定する能力も高まり、水質の浄化や沿岸環境の改善につながる。この取り組みは、生態系の健全性を取り戻すための有効な自然再生手法として注目されている。
 
C. 豊かに保全・回復されている海洋生物生息域
豊かな海洋生物生息域の保全・回復に向けて、磯焼け海域から過剰なウニを除去することで海藻への食圧を軽減し、藻場の再生に貢献していると推測される。再生した藻場は、多様な海洋生物の生息環境を提供するとともに、水質浄化や炭素吸収などの生態系サービスの回復にもつながる。
 
D. 1.5℃の実現
磯焼け海域で過剰なウニを除去することで海藻藻場の再生が促進され、保全に貢献するとともに、海藻による炭素吸収・固定が進み、炭素隔離が発生していると推測される。この取り組みは、生態系の回復と気候変動緩和の両面で効果が期待される。
 
E. 気候変動に対してレジリエントな沿岸域コミュニティ
ウニ類研究者と連携し、科学的知見に基づいて開発中のシステムは、気候変動による磯焼けを世界的課題と捉え、過密化したウニの管理・有効利用と藻場再生を同時に実現するソリューションである。多様なステークホルダーが集い議論するイベントも開催し、磯焼けによる海洋生態系の変化や水産資源の減少に対して協働的に取り組み、藻場再生を通じて地域漁業者の社会経済活動の支援にもつなげている。また、環境変化で身入りが低下したウニを高付加価値資源として再生利用することで、持続可能な沿岸経済と生態系の両立を目指している。

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