奥脇 直也
日本海洋政策学会長
持続可能な開発のための国連海洋科学の10年(UN Decade of Ocean Science)が,2021年の開始に向けて準備が進んでいます.SDGsの達成のために国連レベルで様々な取り組みが行われ,また今後強化されていく中,海洋については特に力を注ぐ必要があるという認識のもとで,2017年の国連総会で同10年が宣言されました.海洋「科学」の推進が主眼であることから,自然科学系の海洋研究,調査等をいかに進めるか,鋭意検討が行われていますが,同10年のタイトルにも見る通り,この10年のゴールはSDGsの達成であり,海洋に直接言及されているSDG-14に限らず多くの他のSDGsにいかに貢献するか,その出口や成果の点では社会的要請を十分把握した議論が求められています.
同10年の6つの成果 (Outcomes) は,いずれも自然科学だけで達成されるものではなく,社会経済的視点が不可欠です.とりわけ,SDGsの目標達成に際して,海洋科学に基づく政策決定とSDGsの進捗評価をエビデンスに基づいた厳格なものにするための海洋科学の役割の重要性を共有する必要があります.
こうした情勢の中,海洋政策という切り口で国連海洋科学の10年を見た時,海洋政策に関係する研究者,研究コミュニティは何をなすべきか,同10年が開始される前に議論を深めておく必要があります.同時に,海洋に関する国連総会レベルの決定であることを重く受け止め,この機に,海洋政策としてこの10年充実強化すべき研究領域や施策について検討することにより,「海洋政策の10年」といった展開を模索することをめざします.
10:00 | 開会挨拶 奥脇 直也(日本海洋政策学会長) 来賓挨拶 |
10:05-12:10 | 総論 「趣旨及び背景説明」 道田 豊(東京大学大気海洋研究所) 「国連海洋科学の10年のIOCにおける準備状況」 植松 光夫(東京大学名誉教授) 「国連海洋科学の10年に向けたアジア太平洋地域の動向」 安藤 健太郎(海洋研究開発機構) 「海洋科学研究の課題~日本学術会議シンポジウムを踏まえて」 窪川 かおる(帝京大学) |
12:10-13:30 | 昼食休憩 |
13:30-14:10 | 総論 「国際的な海洋政策等の動向を踏まえた今後10年の課題:」 角南 篤(笹川平和財団) |
14:10-16:40 | いくつかの各論 「海洋生態系保全に立脚した海域管理」 白山 義久(海洋研究開発機構) 「海洋プラスチックごみ問題の現状と対策」 中里 靖(環境省) 「持続可能な漁業」 牧野 光琢(東京大学大気海洋研究所) 「沿岸海況予報と地域政策」 広瀬 直毅(九州大学応用力学研究所) 「海洋の資源開発と環境影響評価」 北澤 大輔(東京大学生産技術研究所) 「海洋教育の推進」 及川 幸彦( 東京大学海洋教育センター) |
16:50-18:00 | ネットワーキングセッション テーマ 1:持続可能な漁業 テーマ 2: 海洋資源・エネルギー開発 テーマ 3: 万人に開かれた海 |
18:00-19:30 | 懇親会(会費制:10F食堂) |
日本海洋政策学会長
東京大学大気海洋研究所
東京大学名誉教授
海洋研究開発機構
帝京大学
笹川平和財団
海洋研究開発機構
環境省
東京大学大気海洋研究所
九州大学応用力学研究所
東京大学生産技術研究所
東京大学海洋教育センター