昨今、ESG投資やSDGsが日本でも浸透し始めると共に、日本のエンジェル投資家や日本企業による社会的インパクトへの関心が高まっています。日本国内でインパクト投資の推進や実践を担う組織や、東南アジアの社会起業家を日本のエンジェル投資家や企業に紹介する中間支援組織も増えています。笹川平和財団は2019年から東南アジアの起業家支援組織と協働し、東南アジアの女性起業家が男性起業家と遜色なく資金調達ができるように、起業家支援のエコシステムそのものにジェンダー視点を強化し、エンジェル投資家を含む投資家へのアプローチを模索してきました。
そのような流れを受け、今般、東南アジアに投資する日本のステークホルダーを調査し、東南アジアの女性起業家が日本側から資金提供を受けるために、どのような支援や介入が必要かを検討しました。
本調査は、
アジアン・ベンチャー・フィランソロピー・ネットワーク(AVPN)が笹川平和財団の委託を受けて実施致しました。
本調査では、主に東南アジアの小規模成長企業 (Small and Growing Business, SGBs) への資金提供に焦点をあて、先行研究のレビューに基づき、「認知と意図」、「ネットワークへのアクセス」、「潜在投資先の特定」、「政策と規制」の 4 つの条件の検討に基づき、日本からSGBs への投資や連携の現状を確認しました。
そしてこれらの投資や連携を拡大するためには、どのようなエコシステムが必要となるかを分析する為、投資家、企業、起業家、中間支援組織等、異なるステークホルダーに対するインタビューを実施しました。また、エコシステムがその役割をより効果的に果たすために、各ステークホルダーに求められる取り組みについても意見を収集しました。
東南アジアの起業家への投資やエコシステム支援にご関心のある団体や個人の皆様に、この調査結果が寄与できれば幸いです。