362 日中東シナ海安全対話
所属 | 笹川日中友好基金 |
---|---|
実施者 | 笹川平和財団 |
年数 | 3年継続事業の3年目(3/3) |
事業形態 | 自主事業 |
事業費 | ¥17,500,000 |
「日中東シナ海安全対話」合同検討会を東京で開催
「日中東シナ海安全対話」合同検討会を2017年2月11日に東京で開催しました。
笹川平和財団・笹川日中友好基金が実施している「日中東シナ海安全対話」の一環として、東シナ海の空域の安全対策をテーマに、日中両国の国際法、海洋法及び安全保障の専門家による合同検討会が2017年2月11日東京で開催されました。検討会は、笹川平和財団と中国南海研究協同創新センターの共催によるものです。
検討会には、日本側から、国際法や海上安全の問題に詳しい元海上自衛隊、航空自衛隊の将官級OBや、国際法及び安全保障の専門家が参加し、中国側からも、政府系シンクタンクの責任者や、国際法、海洋法と安全保障の学者と専門家が参加しました。
今回の合同検討会は、2013年から2014年までに実施した東シナ海の海上航行安全に関する対話と、2014年から2015年に行われた日中東シナ海空域安全対話に継続して行われるものです。主なテーマは、境界線未確定海域における行動の問題と、沿岸海域における軍事活動です。検討会は三部構成となっており、第一部では、境界線未確定海域における沿岸国の合意到達阻害禁止義務について意見を交わし、第二部では、沿岸国における軍事的活動について検討し、そして第三部では、今後の実施計画について、日中双方の専門家委員による専門性の高い議論が活発に行われました。
笹川平和財団・笹川日中友好基金は、2013年から日中東シナ海安全対話事業を開始しました。当初は、尖閣諸島及び周辺海域をめぐる日中両国の法執行機関同士の対立を緩和するために導入された対話のチャンネルで、2014年4月に段階的成果として「日中海上航行安全対話報告書」を作成しました。その後東シナ海の空の安全を脅かす新たな事態に対処するため、既存のネットワークを活用し、東シナ海の空域安全対話を実施し、その成果は「日中東シナ海空域対話報告書」に反映されています。
今後日中両国の専門家は、今回の合同検討会で交わされた観点を整理し、同じテーマについて更に理解を深めるための検討会を2017年3月に中国の海口市で開催する予定です。そして日中双方の意見を汲み入れた「境界未画定海域における沿岸国の最善慣行(案)」を作成するほか、沿岸海域における軍事行動に係る相手国の法律法規や関連活動に対する疑問点を確認し合い、関連問題の資料集を作成し、日中両国政府や関係者の参考に供する予定です。

「日中東シナ海安全対話」第2回合同検討会を中国海口市で開催
2016年度笹川平和財団・笹川日中友好基金が実施する「日中東シナ海安全対話」事業の第2回合同検討会が、2017年3月4日に中国海南省海口市にある中国南海研究所にて開催されました。本合同検討会は、笹川平和財団と中国南海研究協同創新センターの共催によるものです。
2月に東京で開催された第1回合同検討会に続き、今回も東シナ海の安全対策をテーマに、日本側から、海上安全の問題に詳しい元海上自衛隊、航空自衛隊の将官級OBや、国際法及び安全保障の専門家が参加し、中国側からも、政府系シンクタンクの責任者や、中国人民解放軍海軍の現役の将官、中国外交部辺境及び海洋局の関係者を含む国際法、海洋法と安全保障の学者、専門家が参加しました。
今回の具体的検討テーマは3つありました。まず境界未画定海域における沿岸国の行動に関する最良慣行について検討し、先般の東京検討会で日本側から出された要望に応える形で、南シナ海仲裁判決に関するセッションを設け、同判決に関する中国側の考え方を聴き、質疑応答を行いました。最後に今後の対話の進め方についての意見交換を行いました。
今回の合同検討会は、笹川平和財団・笹川日中友好基金が2013年から継続してきた日中東シナ海安全対話事業の最終会となります。2013年度に事業を開始した際、日中双方の参加者は先ず尖閣諸島及び周辺海域をめぐる日中両国の法執行機関同士の対立を緩和する方策についての対話を試みました。この対話の成果は、「日中海上航行安全対話報告書」に反映されています。その後2014年度から2015年度にかけて、東シナ海の空域安全を確保するための対話を実施し、「日中東シナ海空域対話報告書」を作成しました。最終年度に当たる2016年度は、境界線未確定海域における行動の問題について対話を進めてきましたが、過去の対話と同様に、「境界未画定海域における沿岸国の最善慣行(案)」を含む報告書を作成し、両国政府及び関係者の参考に供する予定です。
民間主導にて行ってきたこの対話事業は、今回の合同検討会を以て終了となりますが、これまでの対話を通じて構築されたネットワークと専門家間の信頼関係、蓄積されたノウハウは、笹川平和財団が企画する国際法の分野における日中協力を促進するための事業の中において継承してまいります。


