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一般事業 多元的価値観の共存に向けて~地域共通問題に関する対話と交流

2004年
事業

中東発展ビジョン探求

事業実施者 Royal Scientific Society(ヨルダン) 年数 3/3
形態 自主助成委託その他 事業費 6,165,216円
事業内容
SPFは1999~2001年度、ヨルダンのハッサン皇子の主導による、中東地域における信頼醸成に貢献するための事業(「中東における新たな対話メカニズムの促進」)を支援しました。その間、チェコのヴァーツラフ・ハヴェル前大統領との共催による円卓会議の開催が実現するなど、世界各国の識者の参加を得て、中東和平を考える継続的なプラットフォームが確立されました。本事業では、引き続きハッサン皇子を中心として、政治的混迷の続く中東地域における将来的ビジョンを、中東と諸外国の識者の間で共有することを目的とした定期的会合の場を設けてきました。
米国同時多発テロ以降の国際的テロの動向やイラク戦争後の混迷によって、米国のイスラエル寄りの中東政策に対するアラブの目はいっそう厳しくなっています。そのようななか、イスラエルの強硬なパレスチナ政策とパレスチナ側の自爆テロの激化によって、暴力の応酬という悪循環に陥っていたイスラエル・パレスチナ情勢に、久々に和平への機運が訪れ、人々の期待が寄せられています。政治的解決の糸口が保たれることが重要であることはいうまでもありませんが、このような局面では、紛争当事国の知識人の間で非公式な対話のチャンネルを維持することが大切です。
緊迫した中東情勢の中で最終年度を迎えた本年度の活動は、非公式な知的交流のチャンネルを通じた対話を重視したものとなりました。ハッサン皇子の呼びかけの下、05年3月にアンマンで開催された円卓会議では、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンの政府関係者、大学やシンクタンクの研究者、NGOのリーダー、さらにはトルコ、エジプト、スーダン、イラク、イラン、インド、パキスタン、アフガニスタンの有識者を含めた約30人が同じテーブルにつきました。そして、文明間の衝突としてますます強調される傾向にあるイスラム世界対キリスト教世界の二項対立図式に対して、「中東」あるいは「イスラム圏」と一括りにされる地域がいかに多様性のある文化圏であるかということを、外向けにも内向けにも発信していくことが大切であるという共通認識が示され、この地域が「西アジア」として協力し合える分野について可能性を探りました。

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