NEAR協調行動計画

「NEAR（北東アジア）協調行動計画」は、日本、中国、韓国、ロシアの4か国が、情報交換、研究、教育、経済・技術協力という4つの分野において、多国間共同事業の実施を通し、知的インフラの構築を図ろうという事業です。それぞれの国において、中堅の研究者、行政官、ジャーナリスト、企業家等、約15人の委員で構成される専門委員会が活動しています。 SPFは国際事務局として全体の統括を行い、6年間にわたる事業に取り組んできました。
各国の専門委員が提案した8つの構想のうち、「NEAR協力の船に関する国際共同研究」(1993～94年度）、「環境と開発に関する国際共同研究」（93～96年度）、「NEAR地域中小企業成功事例調査」（95～97年度）、「NEARインターネット利用可能性研究」（95～97年度）の4つの事業が実施されました。「NEAR協力の船」は、97年9月に島根県を中心とした関連地域自治体の共同事業として行われ、スタッフを含め約360人が参加しました。「環境と開発に関する国際共同研究」事業で提案された地域環境技術研修センター構想は、国連地域開発センターの研修事業として、99年3月に実現の第一歩を踏み出しました。また、韓国の研究者たちによる「環東海研究協会」や、インターネットを利用した「電子商業資源センター」の設立等、北東アジア地域の知的インフラ構築は、目にみえる成果をあげています。
最終年度にあたる本年度は、これらの事業のまとめとして、島根県と共同で98年11月29～30日に松江市で第3回NEAR総会を開催しました。各国専門委員30人、島根県関係者、島根県が開催した公開セミナー傍聴者を含めて約150人が参加しました。この総会では、事業の成果を総括・評価すると同時に、広く島根県民に事業結果を報告し、北東アジア間の交流や連携の意義をアピールすることができました。
また、各国専門委員の総意により、事業終了後も北東アジア地域の知的インフラの構築・維持に寄与していくため、国際事務局を韓国NEARNETチームに移し、インターネットによる情報蓄積と発信を続けることになりました。