地域の国際化プログラム―地域の国際化セミナー：地域からこどもの環境を考える

東京都江東区の神愛保育園は、1993年以来、インドネシアのストリート･チルドレンに対する木工技術訓練と保育園への協力を行ってきました。SPFはこの事業に対し3年間助成し、助成終了後も他の財団の支援を受けて活動は継続しています。
本年度は、神愛保育園の「地域の国際化セミナー」の開催に対して助成を行いました。このセミナーは、神愛保育園のこれまでの活動の成果を地域の人々に紹介し、地域における子育てのあり方を通して地域の国際化を考え、活動を推進することを目的としています。
セミナーは97年11月15日～16日に江東区で行われ、スタッフを含め、初日には81人、翌日は140人の地域住民、保育園関係者、卒園児、教育関係者が集まりました。協力交流先のインドネシアの保育園園長がインドネシアの家庭、子供、地域の状況を紹介し、パネリストによる討論や分科会での討議を行い、地域を越えた広い視野で地域の子育ての問題にどのように対処すべきか話し合いました。また、外部の学識経験者2人がこれまで神愛保育園が行ってきた地域の国際化活動に対する評価を発表し、協力交流を通して地城の国際化を図る意義を参加者にアピールしました。
セミナーの準備にあたっては、保育園職員、園児の父兄23人が実行委員となってセミナーの構成や内容を検討しました。また実行委員は、インドネシアを訪問して招へいの打合せと子供や福祉の状況の視察を行ったほか、2回の事前学習会を開き、講師を招いて日本とインドネシアの子育てをより深く理解する機会をもちました。このように、準備段階から地域の多くの人々の積極的な参加を呼びかけたことで、子育てと国際化活動への理解と協力の輪を広げ、セミナーの成功に結びつけることができました。