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一般事業 激変する社会と相互理解:行動的ネットワークの推進~日本語教育

1997年
事業

日本文献の翻訳

事業実施者 The Pacific Basin Institute/米国 年数 10/10
形態 自主助成委託その他 事業費 5,666,666円
事業内容
日本語という特殊言語の広がりのなさにより、海外の日本理解が限られているという現実があります。本事業は、人文・社会科学分野を中心とする近代・現代日本文献(特にノン・フィクション)を英語に翻訳して出版することにより、このギャップの縮小に貢献しようというものです。当初から何年間の事業と決めて出発したわけではありませんでしたが、地道な努力を積み重ねるうち気がついてみると10年事業になっていました。
この事業の助成先であるPacific Basin Instituteの代表者(Mr. Frank Gibney)は、著名な知日ジャーナリストです。この事業の実施のために少数の日本通の米国知識人から成る編集委員会を組織し、英語圏世界に紹介すべき日本文献を選択しました。選択された文献には抄訳(場合によっては翻訳)がつけられ、それをもとに米国の出版社に出版の働きかけがなされました。米国の出版社の反応が必ずしも良いものではなかったため、一昨年からは出版社の希望を探ってから本格的な翻訳作業を行い、出版社がすぐに使えるものを提供するよう努めました。

  • 『自叙伝』(大杉栄著)
    University of California Press、1992年
  • 『日本型資本主義の精神』(山本七平他著)
    Madison Books社、1992年
  • 『戦後日本と西独の経済変革の政治学』(福井・メルクル著)
    MacMillan社、1994年
  • 『沖縄決戦』(八原博道著)
    John Wiley & Sons社、1995年
  • 『戦争』(朝日新聞テーマ談話室著)
    M.E. Sharpe社、1995年
  • 『俘虜記』(大岡昇平著)
    John Wiley & Sons社、1996年
この他に5冊の文献が出版されることになっています。10年間で11冊が翻訳・出版されることになったわけですが、多いのか少ないのかは別として、助成する側として一つわかったことは、日本の知識層がより国際的な視野に立って言論を展開しない限り、日本語文献の翻訳や諸外国の日本理解の気運も高まらないであろうということです。この発見を将来の事業に生かしたいと思います。

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