1968年7月

学術調査の実施

1968年7月7日夕刻、琉球政府水産研究所所属の図南丸(159t)が石垣港を出港し、翌日早朝、魚釣島北側の沖合に投錨、碇泊した。朝食後、ボートで同島に上陸し、学術調査を行った。上陸した調査団は、沖縄問題等懇談会専門委員の高岡大輔氏、琉球政府総務局渉外課長新城鉄太郎氏、琉球大学教授農学部長高良鉄夫氏、琉球大学教授兼島清氏、琉球大学経済研究所研究員真栄城守定氏のほか、八重山警察署の巡査を含めた14名で構成されていた。(Ref.1)

調査団は、7月8日午後4時、魚釣島における調査を終了し図南丸に乗り込み、魚釣島を一周して南小島に向かい、南小島、北小島に群がる鳥類の生態の観察を行うため、その沖合に碇泊した。(Ref.1)

7月9日に南小島に上陸し、午後には北小島に上陸して調査を実施し、その後、日没前に久場島を船上から視察し、石垣港への帰途についた。これらの調査の結果は、8月30日午後1時半から総理府特別会議室で開催された尖閣列島調査報告会において、高岡大輔氏により報告された。(Ref.1)

高岡氏は、この調査のまとめとして、「尖閣列島一帯の鉱物、魚族などの資源関係、動物(主として鳥類)、植物関係、海洋関係、気象関係と将来の経済開発のための建設関係を対象として、今後急いで学術調査を実施する必要がある」と結論づけている。(Ref.1)


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Ref.1 :高岡大輔「尖閣列島一帯の学術調査について」『鉱業関係資料』
(沖縄県公文書館所蔵)


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1969・70・71年 尖閣諸島周辺海域での海底地質調査(総理府委託)
(島嶼資料センターHP)