生活排水処理

  • 2020年05月18日

厨房、浴室、し尿等の生活排水は、数戸を単位として、住宅付近の地中に埋没されている地下腐敗槽に集められ、地中に浸透させる方式であった(Ref.1, 2)。しかし、上水道の水源が井戸であったため、地下水の汚染が懸念され、早期の下水処理施設完成が望まれた(Ref.2)。

そこで、父島では昭和44年の「小笠原諸島復興計画」の一環で、地域し尿処理施設(処理人口2,000人)の整備が決定し、し尿処理場、管渠、中継ポンプ所等の施設が建設され、昭和48年9月から運転された。その後、施設の老朽化に伴う改良・整備が行われ、処理棟の増築などを経て、現在は処理人口2,200人、1日最大汚水量1,400m3を処理することが可能である(Ref.2)。

母島では、昭和50年度から地域し尿処理施設(処理人口1,000人)の整備が始まり、父島と同様に昭和55年4月から運転が開始された。その後、し尿処理場や中継ポンプ所の設備改良等が行われ、現在は処理人口1,000人、1日最大汚水量500m3を処理することが可能である(Ref.2)。

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Ref.1:南方同胞援護会『小笠原の現況 -付小笠原返還の記録』(1969年)p.27
Ref.2東京都小笠原支庁『管内概要』令和元年版pp.223-225