飲料水

  • 2020年05月18日

終戦時までは、一部地区を除いて井戸から給水していたが、米軍管理下時に、旧日本軍の軍用貯水池と奥村地区に掘削した井戸を水源とし、ポンプで吸い上げた水を直接配水管に送り込む水道方式に改められた(Ref.1)。

返還後、人口の急増に対する良質な水の安定供給は、小笠原開発の最重要課題であった。父島では水量確保のために新たな井戸が掘削され、配水方法も水源から一度配水タンクに送り、そこから給水管を通して給水する方法に改められた(Ref.1)。その後、昭和57年度からトリハロメタン低減対策としてダム水の曝気や活性炭処理施設、薬品注入室等が新設され、高度浄水処理が開始された。平成27年3月には新浄水場が竣工した(Ref.2)。母島では最低限の給水のため、井戸3本および浄水機等が設置され、1日100m3の給水が確保された。昭和57年からは父島と同様にトリハロメタン低減対策が行われた。平成25年度末をもって、水道事業のすべてを父島に譲り渡し、平成26年度から小笠原村簡易水道としての事業を開始した(Ref.2)。

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Ref.1:南方同胞援護会『小笠原の現況 -付小笠原返還の記録』(1969年)pp.23-24
Ref.2東京都小笠原支庁『管内概要』令和元年版pp.219-223