小笠原諸島周辺には、古くから小笠原海流と呼ばれる海流の存在が、諸探検家によって認められていた。1894(明治27)年夏季に実施された海流調査によると、東経140度以東、北緯28度~32度の間では海流の方向がまちまちで、速度も均一でないことが報告されており、これは、小笠原諸島の北西に黒潮と逆向きの流れが存在するためと考えられた。この黒潮と逆向きの流れは、東経141度、北緯27~28度の間では西方に流れており、24時間で50海里に達することもあった(Ref.1)。
明治27年夏季における海流図(Ref.1)
Ref.1:和田雄治「海流調査第二報」『水産調査報告』第3巻第3冊(1895年)pp. 17-26
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