1827(文政10)年

イギリス船が父島に来航し、領有宣言を行うが、イギリス政府は正式に承認しなかった

  • 2020年05月18日

6月8日、イギリス海軍の探検調査船ブロッサム号(艦長フレデリック・ウィリアム・ビーチー)が無人島に到着した。翌9日に二見港を発見し、上陸して島内の探検を行った。島内には2人のヨーロッパ人がいて、船員たちは大変驚いたようだ。ビーチ―は、停泊していた湾(二見港)にポートロイド(Port Lloyd)、父島にピール島(Peel Island)、母島にベイリー島(Bailey island)、聟島列島にはパーリーグループなどと命名し、英国国王ジョージ4世の名で諸島の領有を宣言した銅板を木にかけた(Ref.1)。

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Ref.1:Lionel Berners Cholmondeley, The History of the Bonin Islands from the Year 1827 to the Year 1876 and of Nathaniel Savory, One of the Original Settlers, to which is Added a Short Suppl. Dealing with the Islands After Their Occupation by the Japanese, London: Constable Co., Ltd., 1915, pp.9-13.

参考資料
参考1:R・D・エルドリッヂ『硫黄島と小笠原をめぐる日米関係』鹿児島:南方新社, 2008, pp. 32-33
参考2:田中弘之『幕末の小笠原』中央公論社, 1997(中公新書)pp.24-30, pp. 57-59