択捉島水産会

大正10年4月に公布された水産会法に適合するよう、択捉島(えとろふとう)水産組合が改組されて択捉島水産会が設立された。水産会は段階的に組織化された団体で、単位水産会の連合体である郡市水産会、その上部機構である道府県水産会、これらを全国的に統括する帝国水産会が存在した(Ref.1)。

水産会の目的は「水産業の改良発達を図ること」であったが、設立当初は水産物の製品検査と各種水産資源の培養事業を行うとともに、行政官庁の補助機関的な役割も果たしていた(Ref.1)。

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択捉島水産会事務所前で記念撮影(紗那村紗那地区紗那)
写真提供:千島歯舞諸島居住者連盟

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郵便局・水産会館(紗那村紗那地区紗那)
写真提供:千島歯舞諸島居住者連盟

択捉島水産会概要 (Ref.1)
設立年月日 区域 所在地 会員数 事業内容
大正12年11月5日 (千島国)択捉・紗那・蕊取の3郡(全島)に限る。 紗那郡紗那村字紗那二番地 1,058人 製品検査、鮭鱒人工孵化、漁業調査


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Ref.1:沖縄・北方対策庁『北方地域総合実態調査書(択捉島の部)』(1971年)pp.117-118